原田ひ香なので、読んだ。それだけ。彼女がこういうタイプの作品をどう描くのか、それが楽しみだった。読み終えた感想はとりあえず納得、って感じ。実によく出来たパターン小説でお約束通りの展開の心地よさはある。でも、彼女じゃなくてはならないとは、思えないから、(こんなの誰でも書けるし、書いている)なんだか、肩すかしかも。
成海慶介は探偵ではなく、復讐屋。でも . . . 本文を読む
こういう芝居を真紅組番外公演として上演する試みが面白い。オリジナル台本ではなく、海外の既成作品を持ってきて、しかも、男たちだけで、やる。諏訪誠さんはいつも以上に気合が入っているようだ。(もちろん、いつも気合が入っているけど)今までやったことのない試みは刺激的な冒険になるからだ。 4人の役者たちも気合十分。そこで、少し空回りする、というのも、よくあるパターンではないか。軽やかなタッチで全編を駆け . . . 本文を読む
林海象監督の最新作。2013年作品だから、公開からはもう2年になる。迂闊にも、この映画の存在をつい先日まで知らなかった。少し前、ツタヤの新作コーナーでたまたま見つけたのだ。なんとなく手に取り、えっ、と思った。林海象が永瀬主演で! という驚きだ。昨年の秋にリリースされていた。地味な置き方(1本のみだし)がなされていて、見逃していたわけだ。
たまたま手に取り、気づく。 . . . 本文を読む
このタイトルで家族を扱う劇を作る。その際、下敷きにしたのが、テネシー・ウイリアムズの『ガラスの動物園』だった、というのは言われてみればさもありなん、って感じだ。 今回、FOペレイラ宏一朗が書きあげた台本は上演されなかった。その理由は問わない。台本が書けなかったわけではなく、書いたものが納得いかないものだった、というお話を聞いて、(本人からではなく、劇場のオーナーである福本さんからだけど . . . 本文を読む
サラ金の取り立て屋をしているバカな男が、かわいそうな(でも、気が強い)ひとりの女に恋して、堅気になって、彼女のためにまともな生き方をしようとするが、当然のようにうまくいかず、死んでしまう、というお話。
なんだかなぁ、である。やくざな男が堅気の女性に恋して幸せな結婚を夢見る、なんていうとんでもなく古典的なお話がハッピーエンドになるはずもない。
これは韓国映画だから、成立するけど、今の日本映画では . . . 本文を読む
2年振りのペ・ドゥナの新作映画らしい。少し大人になった『冬の小鳥』の少女キム・セロンと共演した。内容はとてもハードで、あまりに痛ましく見ているのがつらくなる。出来ることなら映画から目を背けたい。そんな気持ちにさせられる作品なのだ。でも、最後まで見る。義務というより、試練というような感じ。どうして、こんな思いまでして映画を見なくてはならないのか、と思うけど。
養父による虐待。彼から少女を守ろうと . . . 本文を読む