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映画・演劇のレビュー

『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影』

2016-10-02 19:53:51 | 映画

 

マイケル・ベイが製作を担当したシリーズ第2作。オリジナルのシリーズから、どーん!と進化して、リアルでド派手なアクション大作になった。お笑いメインでコミカルな作品から大躍進した。だが、いかんせんお話自体はとても緩いタッチなので、ある種のパターンからドカーンと突き抜けることはない。

 

まぁ、あまり肩肘張る映画ではない、ということなのだ。ファミリーピクチャーの域を出ないし、そうじゃなくては成立しない。今、こういうタイプのアクション映画は、食傷気味だ。もうどれだけ作れば気が済むのかという勢いである。DCコミックは怒濤の展開を見せるし、マーベルコミックもどんどん新作を連打する。さらには、『スターウォーズ』もいくらでも作られるし、同じようなヒーロー物ばかりがハリウッドを席巻する。

 

そんな中で、この映画は日本の戦隊物のパターンに近く、異彩を放っているけど、所詮はパターンの域を出ない。4人の超人的な亀たちが、姿を隠したまま、秘密裏で、世界の平和のために戦うという黄金のパターンである。派手なアクションは、今の時代どれだけやってももう心には響かない。要するにCGなら何でも出来ると思い、その気分で見るから凄いシーンを見ても感動しないのだ。嫌な時代になったものだ。

 

作り手が凄まじい苦労をして撮影したアクションも、観客はなんの感動もなく見過ごしていく。それどころか、またか、と思い、スルーしていく始末だ。お話の面白さには限界がある。しかも、この手の勧善懲悪のパターンには新規の企画はなかなか生まれない。この映画も同じで、新味はないから、途中から退屈してくる。軽快なアクションと笑いを織り交ぜ、2時間そこそこ楽しいかぁ、というレベル。

 

凄まじいお金を投入して作っているはずなのに、なんだかなぁ、と思う。まぁ、こんなおバカな映画に大予算をつぎ込むこと自体が、なんだかなぁ、なのだけど。


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