深津篤史の傑作戯曲の再演。桃園会では上演していない。外部書き下ろし作品で、いつもの深津作品とは少しタッチが異なるのだが、この単純さと、このわかりやすい構造なのに、結局はいつもの深津世界を表現し、笑えるのに怖いという娯楽作品の用件も満たしているという強者。それをあうん堂の杉山晴佳がなんだかとてもスタイリッシュに演出してみせる。役者たちの個性が際立つ。そんなキャスティングを目指した。こ . . . 本文を読む
耳の不自由な女の子がカメラで生きていこうとする姿を描く。耳の分まで目で補い、目によって世界を表現することで、生きていく力を見いだす。そんな女の子にひっぱられて、今まで言葉で世界を見てきた男の子が同じようにカメラで世界を切り取り表現するという術を手に入れる。言葉の世界(文学)で挫折した彼はカメラという映像と出会い、しかも、ムービーではなくスチルで、世界を切り取り、自分を表現することを . . . 本文を読む
1970年代を舞台にして60代の女性、という微妙な年齢設定をする。それを吉永小百合に演じさせる。この映画は彼女が初めて老人役をする、という画期的な映画なのである。そかも、アルツハイマー病を患う。
これまで網走でひとり生活をしてきた。だが、認知症になり、どうしようもなくなる。札幌で暮らす息子(堺雅人)に引き取られて都会暮らしを始めることになる。だが、そこでの生活は当 . . . 本文を読む