城定秀夫の新作だ。先月公開の新作『愛なのに』に続いて2が月連続で一般映画のフィールドに登場する。彼はピンク映画界では気を吐いていたようだが、まだ一般映画では傑作をものにはしていない。それだけに今回の作品はそんな彼のちょっとした勝負作だったのではないか。(僕は『アルプススタンドのはしの方』は買わない)これは彼の力量が問われる作品だ。
さて、そんな本作なのだが、お話はとんでもない設定で、とてもじゃな . . . 本文を読む
これにはやられた。読みながら、こういうことを今語られるのか、と。これを読んだのは、たまたま、である。このたまたまは痛い。どんな話かも知らずに読み始めた。そして圧倒された。ひとりの女の一代記である。でも壮大なクロニクルでも大河ドラマではない。これはただの平凡な日々のスケッチだ。
不意をつかれた。だからこのたまたまは痛い。ここまで感情移入させられるとは思いもしなかった。認知症の老婆が主人公だ。デイサ . . . 本文を読む
たまたまだけど、『地図とスイッチ』を読んだ直後に見た映画がこれだ。大好きな瀬々敬久監督の新作だから、公開されてすぐに見た。内容は不問だ。彼が手掛けた映画、それだけで必見である。でも、今回は少し違和感がある。さすがにこの題材は彼向きではない気がする。
ある夫婦に子供が生まれるところから、始まり、その子が大人になり、結婚もして、やがて子供も生まれる。なんだか先の『地図とスイッチ』との共通点が多い。こ . . . 本文を読む
2014年の作品だ。読みながら依然読んでいるのではないか、というよくある疑問が浮かび、2014年から2019年までの記録ノートをひっくり返した。でも、記録はないからたぶん読んではいないのだろう。でも、この既視感はなんだろうか、と不思議に思う。
ふたりの男の40年間を描く。昭和47年9月8日。生まれ日は同じで、同じ病院で生まれた。そんなふたりが主人公。どういう運命が彼らを待ち受け、どんなふうな人生 . . . 本文を読む