4年前の映画『ぼけますから、よろしくお願いします』の続編。前作は見ていない。今回も見る予定ではなかった。そんな勇気はない。予告編を見ただけで泣いてしまった。だから、本編を見るなんて、ありえない。でも、たまたま時間の関係で見ることにしてしまった。
昨年母を亡くして、もうすぐ1年になる。認知症になり、ある日、倒れて、入院した。脳梗塞から半身不随状態になり、肺炎で亡くなった。 とてもじゃないけど、この . . . 本文を読む
なんだかまるで共感できない男女4人のお話。舞台となるパリ13区は高層住宅が並ぶ再開発地域で、絵に描いたような「ザ・パリ」という光景ではない。アジア系移民がたくさん暮らす地域らしい。主人公の女性も中国からの移民。祖母の住んでいたマンションで一人暮らしをしている。(祖母は今は施設に入っている)ルームシェアにやってきたカミーユが男性で、最初はさすがに知らない男との同居はなんだかなぁ、と断るけど、強引な彼 . . . 本文を読む
久しぶりで津村記久子を読む。嫌いではないけど、あまり好きでもないから、ついつい新刊が出ても読むこともなく過ぎていく。今回はたまたま手に取ってしまったのだが、読んでよかった。とても不思議な小説で楽しかったので。
8話からなる短編集だ。タイトルのあるように「現代生活」が描かれる。(近未来も含むけど)最初の2編がとてもいい。『レコーダー定置網漁』は偶然録画していたどうでもいいような番組を見る話。『台所 . . . 本文を読む
こんなマニアックな映画が劇場公開される、って凄いことだ。ミア・ハンセン=ラブの新作だから、かもしれないけど、それにしてもここまで観客を選ぶ映画なのに。スウェーデンの巨匠、イングマル・ベルイマンの暮らした島にやってきた映画監督夫婦のお話だ。風光明媚な島を舞台にした観光映画、のはずはない。でも、見終えたときの、虚脱感は半端ではない。これは一体何だったのか、と理解に苦しむ。だから、これは観光映画なんだ、 . . . 本文を読む
今年読んだ100冊ほどの小説の中で、これが一番心に沁みた。4月なのに早々に今年のベストワンに暫定で決定。400ページ以上の長編で、パラリンピックの話みたいなのに、なかなかその本題には入らない。それどころか、クライマックスはパラリンピックではない。東京五輪が1年延期になり、パラも同様に。スポーツものなんか、というミスリードだったのだ。もちろん、作者にはそんな気は一切なかったのだろう。2020年7月か . . . 本文を読む