昨年中国で大ヒットしたアクション巨編だ。でも、日本では(というか、大阪では)ミニシアターで2週間、1日1回上映という扱いである。ハーマン・ヤウは今もなお精力的に新作を作る。このアンディ・ラウ主演のド派手な映画は、在りし日の香港映画最盛期の輝きを留める。アンディは今なおこうして悲壮感なく、体を張った映画に挑む。凄いとしかいいようがない。それはジャッキー・チェンとは違う生き方だ。(もちろん、ジャッキー . . . 本文を読む
1958年立春から始まる。(別にこの小説とは関係何けど、なんと、僕が生まれる前年だ。)そして、2022年立春までの60年間のお話だ。1975年処暑、88年秋分、99年夏至、2010年穀雨、22年立春。6つの短編連作というスタイルだ。ある家族(藤巻家)の4世代にわたる物語。そこには6人の人生のある局面が綴られてある。6つのお話で、主人公は6人。でも、ここに描かれるのは彼らだけではなく、彼らと、その周 . . . 本文を読む
今回の瀬尾まいこの新刊は中編小説2作と短編1作の3本立。タイトルの『夏の体温』は分類すると児童文学の範疇に入る作品だろう。小学3年生の男の子のひと夏のお話だ。彼は「血小板が少ない病気」で入院している。毎日退屈すぎる彼のもとに同じ3年生の男の子が検査入院で3日間やってくる。そんな2人の短い夏の日々が描かれる。たった3日だけど、そのささやかな時間がとても愛おしい。長編では描けない時間がここにはある。一 . . . 本文を読む