どうして1時間なのだろうか。これはとても面白い設定の作品なのだ。なのに中途半端に1時間で完結する。なんだかもったいない話だ。そう言えば、最近の神原作品には長編がない。コロナのせいで腰を据えて作品作りができないということも原因のひとつであることは明白だが、たぶんそれだけではない。では、なぜ1時間? 彼女の中にある焦りが原因なのか。まだまだ作りたいものがある。そんな想いが溢れてくる。
コロナが始まり . . . 本文を読む
空港を舞台にした短編連作だ。ひとつのエピソードが80ページほどなので中編と呼んでもいい。とても素敵な作品で読みながら、何度も泣きそうになった。1つ目のお話は、自信をなくして帰郷する「若者」が主人公だ。30代後半になり、漫画家として成功しているにもかかわらず、自分が壊れていく気がした。もうこれ以上漫画は描けない。「ヒーローもの」が描きたかったのに、挫折して、今は不本意ながら料亭を舞台にした作品を描い . . . 本文を読む