『こちらあみ子』と同じでこの映画も、小学5年生が主人公。微妙な年齢だ。ユラ(由来)は東京から転校してきた男の子。地方の小さなミッション系の私学で、新しい生活を始める。教室には10人ほどの児童。引っ込み思案で、他者となじめない。そんな彼がひとりの男の子と仲よくなる。でも、事故で彼が死んでしまう。
作者の自伝的作品のようだ。たった76分のこの短い映画は終始無口だ。彼は他者に心を開かない。優しそうな担 . . . 本文を読む
『百年厨房』に続いてタイムスリップを題材にした小説である。こういう安易な設定からスタートするのは純文学畑ではめずらしいことだろう。白石一文大丈夫か、と心配するはずもない。彼があえてそれをやろうとするのなら、安易な展開ではなく十分な覚悟の上での展開をするはずだからだ。それがどこに行きつくのか、楽しみではないか。
今回も500ページ越えの大作である。第1部でタイムスリップして881日前のあの日のやっ . . . 本文を読む