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映画・演劇のレビュー

『ゴーストブック おばけずかん』

2022-07-25 19:34:16 | 映画
山崎貴監督のデビュー作『ジュブナイル』がとても好きだ。子供たちが生き生きしていて、彼らとともに時間を旅する香取慎吾が子供たちをしっかりとリードする子供心を今も持ち続ける大人を演じた。今回の作品はあの映画のテイストを引き継いだものだ。彼にとってもある種の原点帰りの一作であり、初心に戻り、今の自分を再確認する、そんな作品になったのではないか。 僕はあの映画を見て彼のファンになった。あんなにも楽しくて . . . 本文を読む
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山内マリコ『一心同体だった』

2022-07-25 10:44:48 | その他
平成の始まりから終わりまでの30年間を背景にして、8人の女性の物語がリレー形式で綴られていく。1990年、10歳だった女の子のお話から始まり、ほぼ5年刻みで、前話に脇役として登場した人物が次の主人公となり、次のお話を担う。10歳、14歳、18歳、20歳、25歳。30歳、34歳、40歳。1990年から2020年。さまざまな状況の8人のはずなのに、それがまるでひとりの主人公のお話のように思える。同じ時 . . . 本文を読む
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劇団大阪シニア演劇大学新3次生『想稿・銀河鉄道の夜 Ver.3.1』

2022-07-25 09:48:02 | 演劇
3年ぶりの本公演となるようだ。コロナのために公演の延期、中止を強いられ続け、ようやく満を持しての上演になる。ここに至る過程は想像を絶する。シニアが演じるというリスクの高さゆえ、慎重に慎重を期して挑む。劇団ではなく「演劇大学」という名目での公演だが、彼らは本気だ。そこには老後の手慰みでしかない甘えはない。これは暇つぶしの遊びや余芸、習い事ではなく、みんながお芝居に全力で挑む。挑戦なのだ。芝居に賭ける . . . 本文を読む
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大谷演劇部『なんてまてき』

2022-07-25 08:53:59 | 演劇
敢えて大谷高校という表記はしない。なぜならこれは中学生が補助ではなく、確実に大事なポジションを担っているからだ。まのせい役のふたりのダンサーが中学生だなんて、ビックリ仰天だ。彼女たちのパフォーマンスの完成度の高さが作品自体のレベルを確実に高める。主人公たちの体を張ったパフォーマンスとの対比が鮮やか。簡素そうに見えて実は見事に考えられた舞台美術。あきれるほどに早いテンポの展開。オペラ『魔笛』を下敷き . . . 本文を読む
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