なんて大胆な映画だろうか。トランプを実名で挙げて彼の犯罪を描くのだが、これはトランプを描くのではなく女性への性的虐待を描く映画だ。だが、入り口にあの悪人トランプを配することで、これが映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発した2人の女性記者による回顧録の映画化、という域に止まらない作品だということを示唆する。先日見た『ウーマン・トーキング 彼女たちの選択』同様ブラッド・ピッ . . . 本文を読む
70年代の日活映画だから、にっかつ映画であり、これはほとんどロマンポルノの一作でもある。もちろんこれはポルノではなく一般映画だ。にっかつは年に何本か無理してロマンポルノの狭間で一般映画も作っていた。それは映画会社としての矜持かもしれない。だが、劇場は普段ポルノをしているから一般の観客は入らない。そんな時代だった。これは74年作品だから、さすがにまだ僕は映画館では見ていない。あの頃はまだ子どもだった . . . 本文を読む
坂の上の家という設定だけで、この小説を読むことにした。甘い少女マンガのような読み物は嫌だけど、もしかしたら思いがけない拾い物かもと期待もして、読み始める。320ページもあるからそこそこの長編だ。
昔『坂道のぼれ!』という少女マンガがあった。とてもいい漫画で大好きだった。中学か高校の頃に読んだ。あれは高橋亮子の作品。余談だが、彼女の『夏の空色』はかつての僕のバイブルだった。たぶん部屋の . . . 本文を読む
なんとこれは大友克洋の『童夢』をモデルにしたという(原作ではない)ノルウェー製のサイキックスリラー映画だ。監督は『わたしは最悪。』でアカデミー脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクトの監督第2作。団地を舞台にした4人の子どもたちの夏休みの日々が描かれる。ここに引っ越してきた家族。9歳の少女イーダは、重度の自閉症で言葉を発さない姉と共にこの新しい街で暮らしていく。ただ母は姉さんにかかりきりでイーダ . . . 本文を読む