確かにこの映画はかなり評価が分かれるだろう、と思った。散々な不評がいろんなところに出ていたが、自分の目で確認しなくては気が済まない。原田眞人監督がただの不出来なホラーなんて撮るわけがないのだから。
彼はみんなに気に入られる映画なんて撮るつもりはない。この素材を自分が料理するならこんなことになってしまうがいいか、って感じで好きなように自分の世界に引き寄せてしまう。商業映画なのにここまで趣味的なつくり方をしてしまっても許してしまうプロデュサーも凄い。でも、これではヒットしないよ。ターゲットとなる女子高校生たちは見ないし、一体誰に向けて作ったのかもよく分からない。
マニアックな作りで、興味の赴くまま好き勝手しているように見える。これでは原田ファン以外の人が拒否反応を起こしても仕方ない。当然、僕はドキドキしながらスクリーンに釘付けされたが。
『バウンズ KoGALS』の続編的な世界で、少女たちの不思議な世界に足を踏み入れた大人たちの迷走振りが面白い。そんな大人を松田龍平と伊勢谷友介が演じる。さらには彼らが所属する雑誌社の面々がまた、変な奴らばかりで、とてもアブナイ。彼らを見てるだけでも充分満足だし、これを彼らの活躍を描く映画にしてもいい感じだ。全く本題とは関係ないのに、彼らが興じるサバイバルゲームがしっかり描かれたりする始末なのだ。
一応ホラーということになっていて、歌うと自殺してしまう呪いの歌なんていうとんでもない設定を中心にして話は展開していくことになっていくが、オカルト的な話にはならず、この都市伝説を巡る女子高校生たちの世界への旅が描かれていく。ある女子高校生の自殺取材から、2人は少女たちの迷宮に迷い込むことになる。10年前に作られた、とある歌を巡るスキャンダル。関係者の相次ぐ自殺の謎。自殺サイトの話を絡めてドラマは描かれる。
自殺をゲーム感覚で受け止め、一過性のブームに便乗するように簡単に死んでいこうとする少女たちの心の空洞を描いてくれたなら、かなり面白い映画になったかもしれない。(でも、それって園子温が『自殺サークル』で既にやってるが)でも映画は後半そういうことがどうでもよくなってしまう。伊勢谷友介が警察で自殺する衝撃のシーン(ここは面白い。「人を殺したくなるから逮捕しろ」と言いながら警察になだれ込むのだ。そのまま署内で口に拳銃を突っ込み死んでしまう。)から、急に映画はつまらなくなる。
この後、伝染歌が作られた背景とか、当時の事件のことが描かれることになる。さらには松田龍平が霊媒師のエンマさんの言うままに女の子たちを連れて実家の旅館に連れて行くなんて展開になり、東京を離れたところから、まるで別の映画になる。ドラマの収束点が見えてきたとき、映画はその安直な話も含めてまるで趣すら変えてしまう。なぜここで話が萎んでいかなくてはならないのか、よく分からない。わざとしているにしても、これでは観客をバカにしすぎだ。
凡百のホラーよりは面白いなんてレベルのものを期待して劇場に来たのではない。見た人の目が点になるような突き抜けたイメージを提示する新感覚ホラーを見せて欲しかった。結局のところ大概の批評に納得が行く作品でしかなかった。ほんとに残念だ。
彼はみんなに気に入られる映画なんて撮るつもりはない。この素材を自分が料理するならこんなことになってしまうがいいか、って感じで好きなように自分の世界に引き寄せてしまう。商業映画なのにここまで趣味的なつくり方をしてしまっても許してしまうプロデュサーも凄い。でも、これではヒットしないよ。ターゲットとなる女子高校生たちは見ないし、一体誰に向けて作ったのかもよく分からない。
マニアックな作りで、興味の赴くまま好き勝手しているように見える。これでは原田ファン以外の人が拒否反応を起こしても仕方ない。当然、僕はドキドキしながらスクリーンに釘付けされたが。
『バウンズ KoGALS』の続編的な世界で、少女たちの不思議な世界に足を踏み入れた大人たちの迷走振りが面白い。そんな大人を松田龍平と伊勢谷友介が演じる。さらには彼らが所属する雑誌社の面々がまた、変な奴らばかりで、とてもアブナイ。彼らを見てるだけでも充分満足だし、これを彼らの活躍を描く映画にしてもいい感じだ。全く本題とは関係ないのに、彼らが興じるサバイバルゲームがしっかり描かれたりする始末なのだ。
一応ホラーということになっていて、歌うと自殺してしまう呪いの歌なんていうとんでもない設定を中心にして話は展開していくことになっていくが、オカルト的な話にはならず、この都市伝説を巡る女子高校生たちの世界への旅が描かれていく。ある女子高校生の自殺取材から、2人は少女たちの迷宮に迷い込むことになる。10年前に作られた、とある歌を巡るスキャンダル。関係者の相次ぐ自殺の謎。自殺サイトの話を絡めてドラマは描かれる。
自殺をゲーム感覚で受け止め、一過性のブームに便乗するように簡単に死んでいこうとする少女たちの心の空洞を描いてくれたなら、かなり面白い映画になったかもしれない。(でも、それって園子温が『自殺サークル』で既にやってるが)でも映画は後半そういうことがどうでもよくなってしまう。伊勢谷友介が警察で自殺する衝撃のシーン(ここは面白い。「人を殺したくなるから逮捕しろ」と言いながら警察になだれ込むのだ。そのまま署内で口に拳銃を突っ込み死んでしまう。)から、急に映画はつまらなくなる。
この後、伝染歌が作られた背景とか、当時の事件のことが描かれることになる。さらには松田龍平が霊媒師のエンマさんの言うままに女の子たちを連れて実家の旅館に連れて行くなんて展開になり、東京を離れたところから、まるで別の映画になる。ドラマの収束点が見えてきたとき、映画はその安直な話も含めてまるで趣すら変えてしまう。なぜここで話が萎んでいかなくてはならないのか、よく分からない。わざとしているにしても、これでは観客をバカにしすぎだ。
凡百のホラーよりは面白いなんてレベルのものを期待して劇場に来たのではない。見た人の目が点になるような突き抜けたイメージを提示する新感覚ホラーを見せて欲しかった。結局のところ大概の批評に納得が行く作品でしかなかった。ほんとに残念だ。