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映画・演劇のレビュー

『ミッション:8ミニッツ』

2012-09-27 20:38:59 | 映画
 例によって疲れているからあまりしんどい映画は見れないけど、でも、映画でも見て疲れを癒せれたならいいな、と思い、レンタルしてきた。ハラハラドキドキのよく出来た映画を期待して、見始める。劇場公開時も、少し気になっていた映画だ。だが、単純そうでこれはそれほど簡単な映画ではない。

 大体、ここに描かれるシステムがどんな仕組みなのか、それを考えていたら、頭が痛くなる。すごく難しい。だから、もう何も考えず、そういうことね、と受け入れて、この8分の繰り返しを見守ることにする。

 8分後、列車がシカゴに到着する直前、爆弾が起動する。それを食い止めるのが彼の使命だ。最初は何が何やら訳も分からず、爆破した。だが、何度でも8分前に戻り、繰り返すことが可能なのだ。ただし与えられた時間は8分しかない。まずは爆弾を捜し出し、爆発を食い止める。犯人を見つけ出し、捕まえる。先の記憶は残るからどんどん学習は加納だ。だが、限定された時間のなかで、何が可能か。

 確かに、この設定はおもしろい。だが、話はなかなか広がらない。繰り返しは、単調だし、飽きる。趣向を凝らして、話もよく出来てはいるけど、そこまでだ。94分という上映時間は、このワンシチュエーションのドラマとしては、限界だろう。長編劇映画のネタとしては、これだけでは弱い。ダンカン・ジョーンズ監督(「月に囚われた男」)は、この単純な構造を、小難しいアート映画のタッチにはせずに、娯楽映画として見せる。前作とは違い、これは活劇だ。そう割り切った方がいい、という判断だろう。

 ラストの思いもしないハッピーエンドが、うれしい。『月に囚われた男』の監督とは思えないほどのさばけた描き方だ。でも、あの2人は、この後どうなるのか、と考えると、単純によかったね、と受け止めれない。爆破テロを食い止めて、2人の恋も成就して、めでたしめでたしなのだろうか。ノーテンキなハリウッド映画のフリして、だけでは収まらない居心地の悪さが残る。

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