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映画・演劇のレビュー

『永遠の僕たち』

2012-09-27 21:33:04 | 映画
 ガス・ヴァン・サント監督が、こんなみずみずしい青春映画を撮った。なんだか驚きだ。でも、驚きはそれだけではない。あまりの映画の空疎さ。そっちの方が驚きだ。おしゃれで、ファッショナブルな映画だ。でも、まるで中身がない。

 葬式を見るのが大好き(両親を交通事故で亡くした彼にとって、死は身近なものなのだ)な少年と、もうすぐ(あと3ヶ月の命)死んでしまう少女が出会い、過ごす、ひと時の恋愛ドラマ。

 少年は、第2次世界大戦で死んでしまった特攻隊の青年の幽霊が見える。(幽霊と一応書いてしまったけど、よくわからない存在だ)主人公の少年と、この日本人の青年(加瀬亮が演じる!)は、なぜか親友通しだ。この2人の関係が面白い。だが、なんでこの2人なの、と不思議。それも、加瀬亮が、あまりに自然に登場するから、知らなければきっと、最初は幽霊だとは思わないだろう。

 そこに、少女が絡んでくる。甘酸っぱいラブストーリーで、主人公の17,8の男女が、とても幼く見える。悪い映画ではないし、見ていて心地よいけど、なんだか眠くなってしまって困った。(何度か、居眠りして、DVDを戻しながら、見た)死体ごっこをするシーンとか、いいシーンはたくさんあるけど、それだけで終わる。

 かわいいだけでは、だめでしょ。もう少し「何か」が欲しい。ガス・ヴァン・サントはどうして、こんな青春映画を撮ったのだろうか。これはいろんな意味でなんだか不思議な映画なのだ。



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