12年で干支がコンプリートした。記念すべき1作なのだが、魔人ハンターミツルギさんはまるでそういうことには頓着しない。いつものままの新作。そういう自然体が彼らしいし素敵だと思う。気がついたら12年。それでいい。夏のフライング記念公演(こちらがなぜか、先に来る、というのも、彼らしい)の後で、本作が「いつものように」1stで、上演されるのもいい。
今回はいつも以上にバカバカしい。お祭り騒ぎのバカバカしさではなく、今の気分としてのバカバカしさなのだろう。肩の力の抜けた「全力」というのがいい。おサルが主役なので『西遊記』である。しかも、まんま、で。お話は『悟空の大冒険』だ。ちゃんとストーリーを追う。
やり手の雑誌の編集者(今回も主役は、日枝美香Lが演じる)が、大阪に左遷されるところから、始まる。西の都、大阪で彼女がカルチャーギャップを受けながら、新しい毎日を過ごす話と、『西遊記』が同時進行する。リアルの世界とお話の世界が同時進行してやがて、一つの重なるというのは王道だが、あまり、そこに深い意味を持たせないし、いろんなことが、あまりにあっさりしていて、少し肩すかしを食らう。
尾松由紀演じる猿回しのおサルが、緊張して上手く芸が出来なくなる、というお話が『西遊記』の話をリードしていくのも、なんだか不思議なバランスで、作品全体の作りがいささかぎくしゃくしている。全体の整合性をあまり意識せず、好きなように作った、というユルさが、ミツルギさんの今回の企画意図の中にはあったのかもしれない。いいかげんさギリギリのユルさ。自由さ。この作品を「全力」で楽しいでいる。それこそが今回のテーマだったのだ。
今回はいつも以上にバカバカしい。お祭り騒ぎのバカバカしさではなく、今の気分としてのバカバカしさなのだろう。肩の力の抜けた「全力」というのがいい。おサルが主役なので『西遊記』である。しかも、まんま、で。お話は『悟空の大冒険』だ。ちゃんとストーリーを追う。
やり手の雑誌の編集者(今回も主役は、日枝美香Lが演じる)が、大阪に左遷されるところから、始まる。西の都、大阪で彼女がカルチャーギャップを受けながら、新しい毎日を過ごす話と、『西遊記』が同時進行する。リアルの世界とお話の世界が同時進行してやがて、一つの重なるというのは王道だが、あまり、そこに深い意味を持たせないし、いろんなことが、あまりにあっさりしていて、少し肩すかしを食らう。
尾松由紀演じる猿回しのおサルが、緊張して上手く芸が出来なくなる、というお話が『西遊記』の話をリードしていくのも、なんだか不思議なバランスで、作品全体の作りがいささかぎくしゃくしている。全体の整合性をあまり意識せず、好きなように作った、というユルさが、ミツルギさんの今回の企画意図の中にはあったのかもしれない。いいかげんさギリギリのユルさ。自由さ。この作品を「全力」で楽しいでいる。それこそが今回のテーマだったのだ。