廣木隆一監督でなければ見なかった。丹羽多聞アンドリウがプロデ゛ュースした先の『恋する日曜日』2本に続くbsーiのTVシリーズの映画化作品。この低予算による映画(まぁビデオ撮りだが)は昔のプログラムピクチャーだと思って見ればいい。本気で見たら必ずがっかりさせられる。普段の廣木監督作品とはまるで違うから。
作りが緩すぎて映画としての体をなしてない。だが、さすが、廣木監督である。雰囲気は抜群だ。新潟の海沿いの町の侘しい風景が、いい感じで描かれていく。そのロケーションだけでも必見である。しかも、話を見せるのではなく、人物まで風景の中に溶け込ませていく。 映画はその雰囲気を楽しむだけで成立するのだ。まぁ、それだけで90分は無理があるのだが。
これは廣木版『Xメン』である。政府が極秘に開発するエスパー軍団養成施設のようなところから抜け出してきた男が、ひとりの少女と出会う。彼女もまたエスパーで、時を戻す力を持つ。この2人の逃避行が描かれるのだが、ここに書いたストーリーから連想されるような展開はまるでない。SFXを駆使したアクションではないし。だいたいそれらしい描写が皆無なのだ。逃避行と書いたが、それも嘘で、この港町から一歩も出ない。ただぼんやり見ていたなら、何を描こうとする映画かすらわからない始末だ。
ただこの男を匿って過ごす時間が、淡々と描かれる。忘れた頃に、ぽつぽつと、なんとなくやる気もなくストーリーが挟まれる。幼なじみとの切ない恋の話(これで彼女は左目を失う)とか、もっと気を入れて描かなくてはならないとこなのに、まるでその気もない。だから、ラストでもう一つの目を失うことになるクライマックスですら、まるでドキドキさせない。映画としては最低である。だが、このそっけなさがなければこの映画は映画にならなかった。(まぁ、深夜TVの安易な映画化なので、映画である必要なんかないのだろうが)
作りが緩すぎて映画としての体をなしてない。だが、さすが、廣木監督である。雰囲気は抜群だ。新潟の海沿いの町の侘しい風景が、いい感じで描かれていく。そのロケーションだけでも必見である。しかも、話を見せるのではなく、人物まで風景の中に溶け込ませていく。 映画はその雰囲気を楽しむだけで成立するのだ。まぁ、それだけで90分は無理があるのだが。
これは廣木版『Xメン』である。政府が極秘に開発するエスパー軍団養成施設のようなところから抜け出してきた男が、ひとりの少女と出会う。彼女もまたエスパーで、時を戻す力を持つ。この2人の逃避行が描かれるのだが、ここに書いたストーリーから連想されるような展開はまるでない。SFXを駆使したアクションではないし。だいたいそれらしい描写が皆無なのだ。逃避行と書いたが、それも嘘で、この港町から一歩も出ない。ただぼんやり見ていたなら、何を描こうとする映画かすらわからない始末だ。
ただこの男を匿って過ごす時間が、淡々と描かれる。忘れた頃に、ぽつぽつと、なんとなくやる気もなくストーリーが挟まれる。幼なじみとの切ない恋の話(これで彼女は左目を失う)とか、もっと気を入れて描かなくてはならないとこなのに、まるでその気もない。だから、ラストでもう一つの目を失うことになるクライマックスですら、まるでドキドキさせない。映画としては最低である。だが、このそっけなさがなければこの映画は映画にならなかった。(まぁ、深夜TVの安易な映画化なので、映画である必要なんかないのだろうが)