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映画・演劇のレビュー

『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』

2016-04-04 20:57:08 | 映画

 

とても期待した。夢のヒーロー競演である。でも、すでにマーベルコミックが『アベンジャーズ』をした後(それに、もう2本も)なので、そこまで新鮮ではない。またかよ、という感じも無きにしもあらず、である。

 

しかも、東映なんてこんなのずっと昔からしているので、日本人にとっては、あまり、興奮しない。僕が子供のころ、『マジンガーZ対デビルマン』が作られた時の興奮は忘れられないが。そして、実際に劇場で観た映画のしょぼさに失望したことも。ヒーロー対決なんてそんなもんかぁ、と子供心にもわかった。だから、もう僕はそういうものを信じない。あれから50年近くたった。

 

昨年には『サイボーグ009対デビルマン』なんてのもあった。もう何が何だか、である。そんな時代にこの映画は今までの歴史に新たな1ページを刻む作品になるかも、と期待した僕は50年経ってもバカだ。世の中もうなんでもありなのだが、そうなると、つまらなくなる。ルールは厳然とあるから、そこをどうかいくぐって面白いものを作るかとアイデアを絞りだすのが、意味のある試みで、やりたい放題は意味をなさない。

 

そんなことを改めて教えられる映画だ。(というか、そんなこと、最初からわかっている話じゃないか?)それにしても、この映画は惨い。大予算で凄い映像を提示するけど、そんなのは、いまどき、どの映画でもしている。もうどんな凄いビジュアルを見せられても驚かない。派手なアクションシーンは見ていると、だんだん眠くなる。『バットマン』の影響で夜のシーンが多いのも、眠気を誘う原因か。単調なお話が延々と続く。

 

やがて、待ちわびた2大ヒーローの対決だ。でも、そんなの勝敗は最初からわかっている。超人であるスーパーマンが、人間であるバットマンに負けるはずないし。なんだか、最初からわかりきってるんですけど。しかも、スーパーマンのお母さんが悪者につかまっていて、それでスーパーマンは脅されてバットマンと戦うことになる、なんていうバカバカしい設定。こんなのいまどき子供でも騙されません。で、最後は2人が力を合わせて悪と戦うなんていうもうお決まりでしかない展開になる。見ていて、呆れてものも言えない。(さらには、ワンダーウーマンがそこに参戦。 おまえら、男ならせめて、2人で戦わんかい、と叱責したくなる。情けない。)

 

「新バットマン」三部作のクリストファー・ノーランが製作に関与したはずなのに、このていたらく。「新スーパーマン」の『マン・オブ・スティール』(本作はこの映画の続編という設定)のザック・スナイダーが監督なので、あまり期待できないかも、という危惧がてきめんする。無残な映画になった。

 


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