このアニメーション映画が描くものは、本来なら、手塚治虫の描いたマンガの世界のはずだ。だから、タイトルも『手塚治虫のブッダ』とある。なのに、ここには手塚治虫の描こうとした世界がまるで感じられない。こんなにも手塚臭のしない映画になっていいのだろうか。
子供の頃ワクワクしながら、読んだ。中学、高校時代の頃に手塚治虫をむさぼるようにして読んだことが、今の僕たちの精神形成の大きな部分を担っていると言っても過言ではない。教室なんかで学ぶものよりも手塚マンガから学んだものの方がすっと大きい。ページを繰るスピードはどんどん加速する。それがこのマンガの、魅力だ。
なのに、この映画はまるで刺激的ではない。どうして、こんなことになったのだろうか。ブッダの生涯を描く壮大な叙事詩であり、3部作としてここから始まる巨大なプロジェクトの序章なのに、ワクワクさせるものがない。それはこの作品があまりに生真面目すぎて、映画の中にまるで遊びがないからだ。それは余裕と言い換えてもいい。なんだか教育映画でも見ている感じで、こんなにもときめかない映画では、先が思いやられる。というより、この先はちゃんと作られるのだろうか。こんなところで、終わられてもかなわない。
子供の頃ワクワクしながら、読んだ。中学、高校時代の頃に手塚治虫をむさぼるようにして読んだことが、今の僕たちの精神形成の大きな部分を担っていると言っても過言ではない。教室なんかで学ぶものよりも手塚マンガから学んだものの方がすっと大きい。ページを繰るスピードはどんどん加速する。それがこのマンガの、魅力だ。
なのに、この映画はまるで刺激的ではない。どうして、こんなことになったのだろうか。ブッダの生涯を描く壮大な叙事詩であり、3部作としてここから始まる巨大なプロジェクトの序章なのに、ワクワクさせるものがない。それはこの作品があまりに生真面目すぎて、映画の中にまるで遊びがないからだ。それは余裕と言い換えてもいい。なんだか教育映画でも見ている感じで、こんなにもときめかない映画では、先が思いやられる。というより、この先はちゃんと作られるのだろうか。こんなところで、終わられてもかなわない。