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映画・演劇のレビュー

川上弘美『東京日記3  ナマズの幸運。』

2011-08-28 20:16:39 | その他
 ほんとうにくだらない、どうでもいいことばかりが書いてある。読みながら苦笑して、なんだか幸せな気分になる。これが3冊目になる川上弘美の嘘日記。一応本当のことがベースなのだが、すぐに暴走(妄想か?)して、気付くと嘘になる。今回は9割くらいは本当のことも書いてあるそうだ。確かに前に比べると、嘘くささがずいぶん少なくなった気がする。さらに洗練もされてきたし。というか、ますますどうでもいいことばかりになってる気も。

 だいたい、こんなものを読んでいる暇があったら、何もせずぼっとしていた方がましだ、とも思う。だから、電車の中で、本を閉じてしばらくぼんやりしてみた。なんだか気持ちがよい。本なんか読まずにそうしていればいい。でも、しばらくすると、続きを読んでいた。それくらいにおもしろいのだ。くだらないし、どうでもいいものだから、いつでも読むのをやめられるけど、なんだか読むのがとまらない。

 バカじゃないか、と思うけど、読んでしまう。何の役にも立たない、けど、なんか元気が湧いてくる。大体この世の中、どうでもいいことばかりなのだ。なのに、いろんなことに、くよくよして、悩んだりしている自分がバカらしくなる。

       カレー濡れ煎の謳い文句が「インド人もしっとり」。笑うしかない。

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