MONOの土田英生の作品に挑んだ。個性的な役者たちのスタンドプレーが、実に見事なアンサンブルとなるオリジナルを若い劇団がどう自分たちのものにして立ち上げたのかが興味の争点だ。5人の役者たちは健闘している。それぞれのキャラクターをちゃんと表現できているから、見ているぶんには楽しめる。だが、そこまでだ。
この作品が描く不気味な状況を軽妙なタッチの先に提示するまでには至らない。ストーリーを追いかけるだけで手一杯で、余白がない。そこに忍び寄る恐怖や不安が描き切れてないから、緊張感のない芝居になった。だらだらとした生活のスケッチに次第に退屈してくる。ここが戦場で、部隊のキャンプから逃げ出してきた慰問部隊の面々が鉄塔の下で過ごす数日間という時間が、特別なことは何もないけど、でも、何が起こるのかわからない状況に戦々恐々としながら過ごす不安や緊張が伝わりきらない。
110分の芝居を破綻なく、ちゃんと作り上げたことは評価できるけど、だから何なのか、という一番大事なことは描けてない。
この作品が描く不気味な状況を軽妙なタッチの先に提示するまでには至らない。ストーリーを追いかけるだけで手一杯で、余白がない。そこに忍び寄る恐怖や不安が描き切れてないから、緊張感のない芝居になった。だらだらとした生活のスケッチに次第に退屈してくる。ここが戦場で、部隊のキャンプから逃げ出してきた慰問部隊の面々が鉄塔の下で過ごす数日間という時間が、特別なことは何もないけど、でも、何が起こるのかわからない状況に戦々恐々としながら過ごす不安や緊張が伝わりきらない。
110分の芝居を破綻なく、ちゃんと作り上げたことは評価できるけど、だから何なのか、という一番大事なことは描けてない。