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映画・演劇のレビュー

『ザ・コンサルタント』

2017-01-27 05:36:26 | 映画
今度はこういうタイプの「ヒーローもの」のアクション映画が生まれてくる、というのは必然なのかもしれない。そんなことを見終えて思った。こんなアクション映画だとは思いもしないで見た。もっとふつうのサスペンス映画か、なのかか、と思っていた。なのに、つかみどころのないごたごたした展開から、突き抜けると、ヒーローものになる。ちょっとした驚きだ。



今はやりのSFXを駆使した派手な(ばかりの単細胞)ヒーロー映画は食傷気味だ。なのに、アメリカではこれから先も続々と作られて公開される。マーベルコミックもDCも怒濤の如く新作を連打してくる。歯止めの利かないエスカレートはその限界を知らないかのようだ。いくらアメリカ人でも、もうそろそろ飽きてきてもおかしくないはず。それでも、雨後の筍のように出てくる。そして、全米ではちゃんとヒットする。そりゃ、やめないわな。



そんな中、このシリアスタッチの作品が登場した。しかも、主役は新バットマンのベン・アフレックである。



ふつうの人間(というか、自閉症なんですけど)がスーパーヒーローになるという意味では、明らかにバットマンを継承している。しかし、そのテイストは全く違う。仮面もつけない。(ということは、これは007やボーン・シリーズのようなふつうのアクション映画でもある。キアヌ・リーブス『ジョンウィック』のようにバカ強い!)



これは表面的にはサスペンス映画のスタイルを踏む。アクションではなく、ストーリーで観客を引っ張っていく。だけど、やってることは結局、ヒーローもので、気づくとこれはよくあるヒーロー映画ではないか、と理解させられる。だまされた気分だ。でも、それがなんだか心地よい。後半のエスカレートがすごい。もうお話がなんでもあり。シリアスだったはずなのに、荒唐無稽に!



ジャンル映画のクロスオーバーで、新しいタイプのヒーロー映画を提唱した(のかもしれない)。この新機軸は確かにおもしろい。でも、ここには2匹目のドジョウはいない。
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