台湾で買ってきたDVDシリーズ本日2本目。調子に乗って見たのだが、こういう映画はさすがに日本語字幕がないと苦しい。微妙な会話の意味がわからないから、仕方なく状況から推し量るしかない。会話劇は原語だけでは出来るだけ見ないようにしてるけど、難しい。日本語字幕がない映画は大変だ。
だいたい会話のないような映画はないしね。これは2008年のアジアフォーカス福岡国際映画祭でも上映されたらしい。(その時見たなら当然ちゃんと字幕があった)横に書いた方がその時の日本語タイトル。それにしても、たくさんのいろんな映画がひっそりと日本にも紹介されているんだなぁ、と当たり前のことに驚く。
これはかなり地味で、マニアックな映画だ。3組の物語が並行して描かれていく。(最初は何の話やら、それすらわからなかった)それぞれ関連性のないバラバラのお話は、まるで交錯することがない。育児ノイローゼになった妻と、仕事にかまけて妻を大事にできない夫の話。アルコール依存症の父を愛せない娘。彼女は下宿して台北の高校に通っている。キックボクシングをやっている。彼女の同室の友だちはモデルのようなことをしていて、2人がスケベなオヤジを騙す危ない稼ぎをする話もある。そして、巨大な仏像をトラック(仏像を照らす照明が凄い)に乗せていろんなところをまわる男(足が不自由で、片足は膝から下がないから義足をしている)と、彼と行動を共にすることになるバスの荷物を入れる場所に隠れて窃盗を繰り返す青年の話。彼らのエピソードが、何の関連性もなく羅列されていく。最初はそのそっけなさにちょっと困惑した。
さりげない描写を淡々とつないでいくから、かなり戸惑う。だが、終盤の事故のところでこの3組が、出会い、ラストまでは一気に見せられる。犬が事故の原因になる。英語版タイトルは『GOD MAN DOG』(GODとDOGは逆さま言葉だ!)だから、この3者をこの順番でつなぐと、おもしろい。映画はこの3者の関係を根底の持つ。原題の神と人の間に犬(狗)を入れるのも、よく映画の性格を示していて秀逸だ。
孤独な人々の営みを静かなタッチで見せていくのは、好感が持てるが、なんだかこれでは物足りない。後もう一押し何かが欲しい。ストーリーを追っていくと、これは癒しをテーマにした映画のはずだが、何も解決しないまま、主人公たちは以前と変わらない日常に戻っていく。3つの話は一瞬交錯し、でもまた離れていく。カタルシスはない。敢えてこういうタッチで貫かれているのだが、冷徹で主人公たちを突き放すような感じが好きにはなれない。ただ、見終えた今、こんなものかもしれないな、なんて気になっている。好きでも嫌いでもない。あのたくさんお仏像を乗せたキンキラのトラックがゆっくりと走っていく姿が心に残る。なんか変だけど、おかしい。なんとなくこのうさんくさい神さまを信じて見てもいいか、という気分にさせられる。
『ヤンヤン 夏の想い出』のヤンヤンが大人になってこの映画に出演していた。そう言われて初めて気付く。映画を見ながらこの人どっかで見た気がする、と気にはなっていた。窃盗を繰り返す大食いの青年役だ。
だいたい会話のないような映画はないしね。これは2008年のアジアフォーカス福岡国際映画祭でも上映されたらしい。(その時見たなら当然ちゃんと字幕があった)横に書いた方がその時の日本語タイトル。それにしても、たくさんのいろんな映画がひっそりと日本にも紹介されているんだなぁ、と当たり前のことに驚く。
これはかなり地味で、マニアックな映画だ。3組の物語が並行して描かれていく。(最初は何の話やら、それすらわからなかった)それぞれ関連性のないバラバラのお話は、まるで交錯することがない。育児ノイローゼになった妻と、仕事にかまけて妻を大事にできない夫の話。アルコール依存症の父を愛せない娘。彼女は下宿して台北の高校に通っている。キックボクシングをやっている。彼女の同室の友だちはモデルのようなことをしていて、2人がスケベなオヤジを騙す危ない稼ぎをする話もある。そして、巨大な仏像をトラック(仏像を照らす照明が凄い)に乗せていろんなところをまわる男(足が不自由で、片足は膝から下がないから義足をしている)と、彼と行動を共にすることになるバスの荷物を入れる場所に隠れて窃盗を繰り返す青年の話。彼らのエピソードが、何の関連性もなく羅列されていく。最初はそのそっけなさにちょっと困惑した。
さりげない描写を淡々とつないでいくから、かなり戸惑う。だが、終盤の事故のところでこの3組が、出会い、ラストまでは一気に見せられる。犬が事故の原因になる。英語版タイトルは『GOD MAN DOG』(GODとDOGは逆さま言葉だ!)だから、この3者をこの順番でつなぐと、おもしろい。映画はこの3者の関係を根底の持つ。原題の神と人の間に犬(狗)を入れるのも、よく映画の性格を示していて秀逸だ。
孤独な人々の営みを静かなタッチで見せていくのは、好感が持てるが、なんだかこれでは物足りない。後もう一押し何かが欲しい。ストーリーを追っていくと、これは癒しをテーマにした映画のはずだが、何も解決しないまま、主人公たちは以前と変わらない日常に戻っていく。3つの話は一瞬交錯し、でもまた離れていく。カタルシスはない。敢えてこういうタッチで貫かれているのだが、冷徹で主人公たちを突き放すような感じが好きにはなれない。ただ、見終えた今、こんなものかもしれないな、なんて気になっている。好きでも嫌いでもない。あのたくさんお仏像を乗せたキンキラのトラックがゆっくりと走っていく姿が心に残る。なんか変だけど、おかしい。なんとなくこのうさんくさい神さまを信じて見てもいいか、という気分にさせられる。
『ヤンヤン 夏の想い出』のヤンヤンが大人になってこの映画に出演していた。そう言われて初めて気付く。映画を見ながらこの人どっかで見た気がする、と気にはなっていた。窃盗を繰り返す大食いの青年役だ。