『刻まれない明日』に先立つ三崎亜記の短編集だ。やはりこの人の短編は、いつも星新一のショートショートを読んでるような気分にさせられる。今回もやはりそうだった。(と、言いつつも僕はもう30年以上星新一を読んだことがない。でも、中学生の時にありとあらゆる星新一を読破した。それくらいに、彼が好きだったのだ。)
だが、それはこれを褒めているというわけではない。アイディは悪くないが、軽すぎる、ということが言いたいのだ。それなりの分量を持つ短編小説としては、これでは軽過ぎて物足りない。だが、彼の強みはこの程度のアイデアでも、それを長編にしたら凄いものになるところだ。ワン・アイデアでも、それをとことん丁寧に作り込むことで、魅力的なものに仕立てる。それは『刻まれない明日』が実証している。なのに短編はこの体たらくだ。書き込みが足りない。
それにしても、これら9つの短編はことごとくがショート・ショートで充分な話だ。なのに、30ページとか、まとまった分量の短編なのだ。話は適当に不条理だし、読んでいてつまらないわけではないのだが、この程度では納得が行かない。ここには、だから、どうした、という部分が足りないのだ。後少しの重みが欲しい。そうすればもう少し違ったものになるのではないか。あっさりしすぎ。そこが長編では魅力になるのだが。
だが、それはこれを褒めているというわけではない。アイディは悪くないが、軽すぎる、ということが言いたいのだ。それなりの分量を持つ短編小説としては、これでは軽過ぎて物足りない。だが、彼の強みはこの程度のアイデアでも、それを長編にしたら凄いものになるところだ。ワン・アイデアでも、それをとことん丁寧に作り込むことで、魅力的なものに仕立てる。それは『刻まれない明日』が実証している。なのに短編はこの体たらくだ。書き込みが足りない。
それにしても、これら9つの短編はことごとくがショート・ショートで充分な話だ。なのに、30ページとか、まとまった分量の短編なのだ。話は適当に不条理だし、読んでいてつまらないわけではないのだが、この程度では納得が行かない。ここには、だから、どうした、という部分が足りないのだ。後少しの重みが欲しい。そうすればもう少し違ったものになるのではないか。あっさりしすぎ。そこが長編では魅力になるのだが。