100パーセント見る気はなかったけど、徒に時間があまり、しかもそこにきちんと収まるのはこの映画しかなかったから、運命だと思いこれを見ることにした。難波なんかで3時間も時間をつぶすのは難しいし、しんどいから映画しかないと思ったのだが。朝の用事から次の用事まで実は7時間も時間が空いてしまい、そこにうまく見たかった映画を収めてもまだ3時間以上あったので、そこをこれで無理やり埋めることにしたのだ。
最悪だった。なんとなく、想像はしていたけどここまでバカな映画だとは思いもしなかった。今年映画館で見た130本ほどの映画の中で確実にワースト3に入る映画である。娘が面白いというのでTVを2話まで見たけど、これは僕には合わないなと思いやめた。でも、惨さではこの映画はあのTVドラマの比ではない。こんないいかげんなストーリーで1本の劇映画に仕立てていいのだろうか。犯人捜しなんてする気にもならない杜撰さ。だいたいTVシリーズの続編ではない。あのドラマをリセットしてパラレルワールドを見せていくという設定らしいのだけど、それになんの意味があるのだろうか。安易な思い付きレベルでしかない。
個人的に昔からずっと原田知世が大好きだから久々に彼女が主演する映画が見られるのならそれはそれでいいかぁ、とも思ったのが甘かった。内容はともかく「知世ちゃんを見ていたらいいかぁ、」とか思ったりもしたけど、この映画の彼女は全く魅力的ではない。(それはTVシリーズを見た時にも感じていたことだったけど。)ブレンディのコマーシャルでの彼女レベルでいいのに、それすら出来ていない。充分大人になった彼女を魅力的に撮ること。それってこの映画の基本命題なのではないのか。かなり年上の女性である彼女にメロメロになり、結婚する田中圭、という設定を納得させるためには、誰が見てもかわいい知世ちゃんを映画の中で見せないわけにはいくまい。なのに、なんなんだ、この映画は! トリックもおざなり。役者たちもメンツをそろえただけ。2時間半に及ぶ長尺で、こんなふざけた映画しか作れない。知世ちゃんに謝れ。