角川春樹小説賞を受賞したとあるが、そんな文学賞があるなんて知らなかったです。しかも第16回って。審査員に角川春樹の名前もある。さすが角川春樹だ。自分の目を信じて本を作り売る。
これはそんな彼に見出された新人作家のデビュー作である。読み出してこれは面白いと感心した。偶然昨日見た映画ともリンクする。もちろん倉本聰の『海の沈黙』である。あれは贋作と真贋の話だったが、これは模写と再現の話であ . . . 本文を読む
このタイトルに心惹かれて読み始めた。実は魚住陽子を読むのは初めてである。(たぶん)あとがきまで読んでこれが彼女が遺した未刊作品を集めたものだと知る。デビュー作から87年から89年までの初期の作品。
この手の純文学を読むのは久しぶりかもしれない。このなんとも言えない余白がいい。彼女の心の空隙が小説になる。そこにはお話ではなく、心象風景がある。文字で描かれるあるけど、それは映像として . . . 本文を読む