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12回ポプラ社小説新人賞の特別賞受賞作品。特別賞って何? ただポプラ社が選んだ作品、作家だから信じる。さっそく読み始めたが、あまり上手くない。読んでいてもどかしい。展開に意外性がなく単調すぎる。だけど書き手の誠実さは確かに伝わってくるから嫌じゃない。とても真面目に丁寧に書いている。
主人公の3人の子どもたちの想いが痛いほど伝わってくるから、彼らを守ってあげたいと切に願う。そんな気分にさせられる小説である。だけどこれでは大賞は獲れないな、と少し残念な気分になる。だけどポプラ社はこれも出版に踏み切った。結果作者の高遠ちとせは作家デビューした。サーフィンの話に持っていくのは悪くはないけど、作品世界が狭くなった気がする。ある種のパターンに陥ってしまう。3人の置かれた環境の悲惨さも程度の差はあるけど、似ている。クラスからはみ出る異端児というのもある種の図式から外れない。意外性はなく、予定調和。ミニ町田そのこ、って感じ。
彼女がこの先どうなるかは次回作にかかっているだろう。今回はともかく、次回に期待して待ちたい。