短編連作である。死をテーマにする。死んでいく、死んでいることが、どう周囲の人たちを巻き込み、そして、自分自身にとってどんな意味を持ちうるのかを、それぞれの作品がいろんな角度から考察する。決してつまらない小説というわけではない。読み物としてはとてもよく出来ている。一気に読ませる力がある。だが、それだけなのだ。これでは僕には物足りない。
三浦しをんほどの作家なら、こんな次元の作業に終始するべきではない。ここからどう踏み出すのかが彼女の本来の仕事ではないか。簡単なストーリーテラーでは駄目なのだ。
七つの短編はそれぞれとてもうまい。よく考えられたアイデアであることは認める。切ない話も人間の業を感じさせるような話もある。バラエティーに富んでいる。だが、いかんせん全体は軽い。軽すぎるのだ。腹の底にずん、とくるようなものが欲しい。
三浦しをんほどの作家なら、こんな次元の作業に終始するべきではない。ここからどう踏み出すのかが彼女の本来の仕事ではないか。簡単なストーリーテラーでは駄目なのだ。
七つの短編はそれぞれとてもうまい。よく考えられたアイデアであることは認める。切ない話も人間の業を感じさせるような話もある。バラエティーに富んでいる。だが、いかんせん全体は軽い。軽すぎるのだ。腹の底にずん、とくるようなものが欲しい。