いじめにあって死んだ男の子の初七日を迎えるまでの教室が舞台だ。彼の不在。彼の残した妄想が書かれたノート。そこに描かれる出来事をクラスメートの女の子が読む。現実と妄想が入り乱れて描かれる。
帰国子女の彼女は、ノートを読みながら、死んだ彼のノートに書かれた出来事と、自分が見てきたこと、感じていたことがごっちゃになっていく。どこにホントがあるのか、よく分からない。彼女は、彼はクラスの人気者だったと言う。しかし、それは彼女の誤解でしかない。彼はいじめにあっていた。そんなことにも気付かない。実は彼女自身もいじめにあってこの学校に転校してきた。帰国子女というのは嘘だ。そして、次の標的は彼女となる。
とても分かりやすい芝居の作り方をしている。主人公の2人が、死んだものと生きているもの、ここを去ったものと踏みとどまったもの、という立場から教室を舞台に、現実と妄想を行きつ戻りつしていく。そこから彼らに傷みに迫っていくのだが、作品としての緊張感がないので、せっかくの発想の面白さが持続しない。
ヒロインの小町を演じた岡本真生子さんがとても静かに現実を見つめていく姿は素敵だし、死んだ小野くんを演じる柳本宣弘さんも、とても爽やかでいい。なのにそんな2人を生かし切るだけのストーリー展開と演出がなされていない。
無意識のうちに静かに見えた教室が形にならない暴力を生み、彼らを追い詰めていく。妄想に次ぐ妄想を通して、はしゃいで見える描写がいつの間にか、観客を巻き込んでいく恐怖を描ききれたなら凄い芝居になったはずだ。そんな妄想の論理がここにはない。
帰国子女の彼女は、ノートを読みながら、死んだ彼のノートに書かれた出来事と、自分が見てきたこと、感じていたことがごっちゃになっていく。どこにホントがあるのか、よく分からない。彼女は、彼はクラスの人気者だったと言う。しかし、それは彼女の誤解でしかない。彼はいじめにあっていた。そんなことにも気付かない。実は彼女自身もいじめにあってこの学校に転校してきた。帰国子女というのは嘘だ。そして、次の標的は彼女となる。
とても分かりやすい芝居の作り方をしている。主人公の2人が、死んだものと生きているもの、ここを去ったものと踏みとどまったもの、という立場から教室を舞台に、現実と妄想を行きつ戻りつしていく。そこから彼らに傷みに迫っていくのだが、作品としての緊張感がないので、せっかくの発想の面白さが持続しない。
ヒロインの小町を演じた岡本真生子さんがとても静かに現実を見つめていく姿は素敵だし、死んだ小野くんを演じる柳本宣弘さんも、とても爽やかでいい。なのにそんな2人を生かし切るだけのストーリー展開と演出がなされていない。
無意識のうちに静かに見えた教室が形にならない暴力を生み、彼らを追い詰めていく。妄想に次ぐ妄想を通して、はしゃいで見える描写がいつの間にか、観客を巻き込んでいく恐怖を描ききれたなら凄い芝居になったはずだ。そんな妄想の論理がここにはない。