ドキュメンタリー・タッチで描く戦場アクション映画。終盤の思いもしない急展開には驚かされる。そんなことがあるのか、と、にわかには信じられないのだが、実話をベースにした映画である。この肝のエピソードは事実なのだろう。その一点だけでも、この映画は斬新で大胆。だが、それは事実の持つ力であって、この映画の手柄ではない。
それよりも、そのシーンまでのほうが気になる。そこまでは、とことんドキュメンタリータ . . . 本文を読む
すべて、失う。そこから始まる物語。なぜそんなことになったのかは、回想で描かれる。しかし、この映画はなぜ、そうなったのかを描くための映画ではない。登場人物はロバート・レッドフォードただひとりだ。しかも、ひとりだから、しゃべらない。言葉による説明は一切ない。事実が描かれるばかりだ。彼は泣き言一つ言わずに、黙々とその事実と向き合う。
ヨットで旅をしていた。難破した船のコンテナがぶつかってヨットの側 . . . 本文を読む
私見感の第四回公演だ。今回は「実践」公演と銘打たれる。これはようやく本番だ、と思わせるネーミングだ。だから、これだけは見逃せないと思った。「実験」「仮定」「試行」と続いて、ようやく、今回は「実践」である。先の2作品の(1作目は未見)その先には何があるのか、彼らの本気を見せてもらう。
正直言って、やられた、と思う。前作を見た時、惜しいな、と思った。スタイリッシュで、確かにおしゃれな作品だけど、 . . . 本文を読む
神楽舞の演者であり、エイチエムピー・シアターカンパニーの役者でもある高安美帆と樋口ミユによるユニット。今回は相手役の南河内万歳一座の前田晃男を迎えて贈る。いきなりセックスの話を始める前田に対して、誠実に対応する高安。そんなふたりのやりとりが、楽しい。
別に下ネタをふるのではない。話のとっかかりでもなく、いきなり核心に迫るのだ。剛速球を投げる前田と、それを柔らかく受け止める高安。そんなふたりの . . . 本文を読む
この題材で、この内容で、これだけの大人数のキャストをそろえて(あっ、そこは、ここでは別に問題ではない! それは劇団ひまわりの問題ですから)1時間40分は短すぎる。これではただの歴史のお勉強にしかならない。しかも、字幕による説明に終始する。彼らが生きた証が描かれてない。これでは、なんだかもったいないじゃないか。派手な立ち回りを通して、巨大な歴史の上っ面をなぜるように描くのでは、意味がない。彼らが生 . . . 本文を読む
この春、一番の期待作だったのだが、残念ながら期待外れの1作になった。予告編の出来がよすぎなのだ。あれを見ればみんな過大な期待を抱くこと必至だ。どれだけ凄い映画か、と期待に胸膨らませてスクリーンに対峙する。すると、なんだか、よくあるような映画しかそこにはない。奇想天外で、荒唐無稽。ありえないような冒険がそこにはある、と思った。だが、予定調和のストーリー。妄想癖にある冴えない男が、冒険に出て成長する . . . 本文を読む