角田光代「曾根崎心中」(原作 近松門左衛門)

              

 以前、出張で大阪に何度か出向いた時期があり、その時に本場大阪の外カリ中トロのめちゃうまのたこ焼きを知りました。開眼したのは京橋にある「くれおーる」という店です。2回目以降は梅田駅の東、お初天神通り商店街にある支店が交通の便が良くこちらを利用していました(今回調べたら閉店してました)。この商店街の南端には通称お初天神という露天神社があり、へぇここが曾根崎心中の舞台になったところかあとボンヤリ考えるくらいでした。

 その「曾根崎心中」を読む機会が訪れるとは想像していませんでした。近松門左衛門の原作ではなくて、角田光代の翻案(原作の筋や内容をもとに改作)です。これは面白いに違いないと手に取りました。

 題名どおり曾根崎での心中を結末とした遊女お初と惚れた徳兵衛の恋物語です。貧しさゆえに売られた少女の覚悟。恋なんかするもんじゃない、あの人なしじゃ生きていけない、相反する思いを抱く遊郭の女たち。単純なストーリーなのですが、幼いけれども運命と信じて真っ直ぐなお初の純愛に魅了されていきます。帯にある「愛し方も死に方も、自分で決める。/これが、恋。/出会ってしまった心を、止めることはできない。」が決まっています。愛がかなわない女たちの行く末が切ない。元禄時代の大ヒットも納得の筋立てに夢中になって一気読みです。結末までの二十数ページはジェットコースターのように走り、突き進みます。

 登場人物と一緒に熱くなり、しみじみとした感動を味わえます。日本人でよかった、この物語を読んでおいてよかった。角田光代のセンスに拍手、感謝です。


 大阪を思い出していたら、また遊びに行きたくなりました。家族にも美味しいたこ焼きをもっと食べさせたい。「くれおーる」、「ヒロちゃん」、「やまちゃん」、「はなだこ」などなど。岡山在住時に年間3~4回、家族でユニバーサルスタジオに行きましたがとにかく楽しかった。セサミストリートの路上ショー、クリスマスの点灯式、マイケル・ジャクソンのショーなど。そしてビールを飲んでふらふらしながら観た夜のパレード。ユニバーサルタワーに泊まって、翌朝、31階の展望大浴場でゆったり・・・思い出せば幸せな時間でした。ディズニーよりユニバーサルスタジオの方が断然面白い。大阪たこ焼きミュージアムも隣接していて最強です。今年の3月に新しいエリアがオープンするので落ち着いたらまた行きたいです。うん、今年は可能であれば、久しぶりの海外旅行と大阪旅行が目標です。


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「西海」(東白楽/東神奈川)

          

 西神奈川の交差点の近く、国道1号線沿いに24時間営業のちゃんぽんを出す店があると読みいつかはと思っていました。24時間といえば一時期はまった川崎の生麦にある「さつまっ子」を思い出しますが、そこは工場地帯の入口で労働者が多く通る場所なので分かります。「西海」は東白楽と東神奈川の中間、交通量はあるとはいえこんな場所でどうして24時間営業なんでしょうか。今日、用事の前に出掛けてきました。

 朝の7時。東白楽で降りて店に向かう道中、24時間営業と書いてあったけど、最近はそうではなくなっていてシャッター下りてるなんてこともありえると考えていたのですが・・・灯りがついて暖簾がかかっています。おそらく徹夜明けの若者2人と出勤前のおやじさんが1人、先客でいました。
 売りはちゃんぽんと皿うどんのようですが、しょうゆラーメン、とんこつらーめん、味噌らーめん、チャーハン、餃子など中華料理屋の各種メニューが揃っています。今日はちゃんぽんです。

 大きな中華鍋をカンカン鳴らして調理しています。美味しそうな音です。出てきたちゃんぽんはかまぼこの赤とキャベツの緑とで色鮮やかです。ちゃんぽんはこうでなくちゃいけません。白濁スープは多くの食材のエキスが染み出していてうまいです。麺は柔らかめの太麺でスープに絡みます。コショウを効かせて仕上げる店も多いですが、ここの味付けはマイルドです。オーソドックスですが何度でも食べたくなる味かもしれません。おいしかった。満足です。

 張り紙によると24時間営業ですが、水曜日の3時から木曜日の7時まで(?)は休むようです。3時とは夜中の3時、28時間休みということでしょうか、普通ない設定なので頭がうまく働きません。ネット情報によると先日食べた白楽のうどん屋「じょんならん」の隣に同じ「西海」があり(確かにありました)、同じ系列店、こちらは夜のみの営業のようです。
 牛丼屋を中心に24時間営業も珍しくなくなっていますが、こういう普通の食堂は貴重で何かの時に向かいたくなりそうです。


          


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