「田部京子ピアノ・リサイタル BBワークス 第5回」(浜離宮ホール)

 


 田部京子のピアノ・リサイタルを聴いてきました。

 ブラームス    3つの間奏曲
 ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
 (休憩)
 ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第32番

 〔アンコール〕
 バッハ       平均律クラヴィーア曲集 第1巻 前奏曲1番


 ブラームスと32番はCDで聴いているので、23番目当てでしたが、32番が特によかったです。


 ブラームスは予想どおりの安定感のある瞑想的な音楽。うっとり聴いていつものように意識が混濁してもう少しで眠るところでした。
 23番は力みのない非常にピアニスティックな演奏です。私は音が少々にごるのも気にせずブイブイ荒々しく演奏する骨太スタイルも好きですが、後ろに座っていた方は、普通は力任せに弾くんだよ、そうじゃないところが素晴らしいと話していたので好みです。


 休憩後の32番。CDで何度も聴いていますがやはり実演はいいです。特に第2楽章の後半、右手が連打するところ。光の粒がキラキラと放たれるような響き。あれ、こんな音だったかないつも聴いているのは、何を聴いていたんだろう。帰宅してCDを聴き直して分かったのですが、録音では、ピアノ音の粒がそろっていて少し硬めの響きです。実演はもっと光り輝く音の粒でした。


 ベートーヴェンはどんな思いでこの美しい最後のピアノ・ソナタを書いたんだろうなどと考えながら聴き入っていました。素晴らしい演奏です。


 32番の後に弾く曲はないだろうからアンコールなしだと思っていたのですが、拍手を受けてピアノの前に座ります。ブラームスの小曲でもやるのかなと思いましたが、もう一人のB、バッハの平均律です。成る程。ひたすらに美しいピアノです。


 終演後、サイン会に長い行列ができていましたが、私は山野楽器のがあるので来年2月です。



 

 今日も秋晴れの気持ちいい1日でした。







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