ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

相棒/サンダニエーレの足

2010年01月06日 | 食材の話

Photo_2 「右京さん、鑑識の結果が出ました、結構面白いことが解りました」
「ほう、さすが米沢くんですね」
「お尋ねのクアトロにあったという、足なんですが、これはイタリア・サンダニエーレのプロシュートだということが解りました」
「そうでしたか、サンダニエーレでしたか、プロシュートとはイタリアの生ハムのことですね、そのイタリアの生ハムというとパルマが日本では有名ですが、イタリア国内ではサンダニエーレの方が評判がいいと聞いていますよ」
「そうなんです、よくご存じで」
「さらに、あの足、いや生ハムを調べてみると骨が露出しているところもありました」
「ほう、そうですか」
「さらに、食べてみるとですね、普段食べる生ハムより塩分が少なく肉本来の旨みが凝縮されていると思われます」
「そうだったんですね、また僕は大事な事を見落とすところでした、いや助かりました」
前日に調べたパルミの穴の隣にあった奇怪な蹄の付いた肉のかたまりを鑑識に調べてもらった右京さんだった。
その生ハムの骨のそばの肉を削って食べさせているクアトロに、右京さんの食指は動いた。
「神戸くん、もう一度クアトロを洗い直してみる必要がありますね、まだまだ隠された旨いものがありそうですよ」

「右京さん、やられました」
「あい、どうしましたか」
「クアトロは、今日のディナーの営業を休みました」
「そうですか、いや慌てることはありませんね、明日食べに行けばいいでしょう」
「まだ、サンダニエーレの生ハム食べられますかね」
「大丈夫でしょう」
クアトロは水曜日が定休だが、昨日が仕事始めですぐ今日の水曜に休むわけにもいかないと思ったのだが、昼だけ営業をし、明日以降の仕込みを終え、ディナーの営業は卑屈にも休んでしまったクアトロであった。
それでも、右京さんの読みの通り、サンダニエーレの骨の近くの美味しいところは明日以降も食べられるのだった。
パルミの新しい穴を使ったパスタもまだまだ特別に美味しいことも付け加えておこう。

コメント
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