いつものように、靴下を履かないで寒そうに市場を歩くスタジロウ。
「あら、トラさん、やだ豊四季のクアトラさんじゃない」
「あたしよ、忘れたなんて云わないでよ」
「おお、久しぶりだな、おいらがあんたを忘れる訳があるかよ」
「逢いたかったよ、銚子の金目姐さん」
くりくりっとしたその愛くるしいまなこに久しぶりに出会ったクアトラのスタちゃんはもうでれでれである。それにしても、冬になって出会った金目姐さんは、一段と脂がのって色っぽいのだった。
「ばかだね、トラはまた鼻の下のばしてるよ」
心配するよりも、あきれる市場のおいちゃんは、じきにクアトラから金目姐さんが旅立っていくことを知っていた。
金目姐さんと北イタリアの貴公子「ロエロ・アルネイス」という白ワインが、豊四季のクアトロで運命の出会いをすることを、今はまだ知らないクアトラ・スタジロウであった。
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