マスノスケがやって来た。
生まれはロシアだ。
北海道の漁港では、春から初夏にかけて“時知らず”の漁が行われる。
時知らずは、まだ回遊しているシロザケを若いうちに捕まえるというものだ。
卵に栄養を取られていない時知らずは脂がのっていて実に美味しい。
サケの王様とまで呼ばれる時知らずだ。
その時知らずはクアトロで西京漬けになっている。
ところが、昆布森にこの時知らず以上のものがある。
時知らずだけでも希少価値だが、さらに時知らず漁で希に獲れるサケがある。
“マスノスケ”である。
天然の国産キングサーモンのことなのだ。
ロシアから回遊してきたキングサーモンが希に時知らず漁で上がるのだ。
天然ならではのキングサーモンの美味しさは格別なものがある。
サケのキング・オブ・キングスなのである。
このマスノスケは魚市場でも滅多にお目にかかれない。
今日クアトロにやって来たマスノスケは特に顔が良い。
小顔で、きりりとした顔立ちは、まさにキング・マスノスケ。
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