「散歩の達人」の取材を受けた「季節野菜のスパゲッティ」の標準的な食べ方をパスタの達人が解説しよう。
クアトロ自慢の季節野菜のスパゲッティが運ばれてくる。
たくさんの野菜がトマトソースに煮込まれたボリュームたっぷりのスパゲッティだ。
その盛り付けには、何気ないようで同じ色の野菜が並ばないように工夫されている。
10種類以上の野菜が入っているというが、嘘偽りがないかは食べ進みながら探っていく。
フォークにスパゲッティを巻き付け、一緒に絡んできた野菜をアトランダムに食べていくと、一口大になっている野菜が掘り出されていく。
ズッキーニ、インゲン、カボチャ、赤パブリカ、黄パプリカ、ニンジン、ホウレン草、オクラ、カブ、オニオン、・・・、大地の恵みをトマトソースの中から掘り出しているという表現が適切のように思える。
ひとつとして煮崩れした野菜が無いと云う声も聞こえる。
クアトロのママの仕込の技だろう。
このように食べ進んでいくと、野菜の名前を確認し、その数を数えることの無意味さを感じるだろう。
そして気づくことがあるだろう。
野菜の美味しさもさることながら、そのそれぞれの野菜の旨味がトマトソースの中に渾然と一体となって調和していることだ。
控えめに加わっているパンチェッタ(生ベーコン)の脂がそれぞれの野菜の旨味を取りまとめているのだろうか。
スパゲッティにからめつつ食べるこのソースの味わいこそが、このスパゲッティの本質である。
素材の旨味が乳化したトマトソースの色あいは、明るいオレンジ色をしている。
食べ終わったお皿の底にも、キラキラ光るオレンジ色のソースを見て取れる。
食べ終わったお客様の瞳も、キラキラと光る。
※毎週火曜日の夜と水曜日全日は、定休日になります。