フランス・サヴォワからルブロッションと云うチーズが入荷。
サヴォワは、イタリアとの国境にあり、モンブランの麓。
夏の間、アルプスで放牧した牛から作る今の時期のルブロッションは特別に美味しい。
ルブロッションとは、更に絞ると云った意味だとか。
昔は牛の放牧地は借地で、農夫は地主にとれたミルクの一部を支払う契約になっていた。
そのため、見回りが乳量を調べにきたときはすべてを搾らず、後から残りの乳を搾ったとか。
その乳で作られたチーズがルブロション・ド・サヴォワ。
濃厚な美味しいミルクから作られたルブロッションはねさらにエビセアと云う木の皮に包まれ森の香りを纏う。
このチーズは心が癒やされる味わい。
夏の疲れ、コロナ対策の疲れにあなたを癒やしてくれる優しいチーズです。
初秋の候
急に涼しくなるとお客様のオーダーも秋バージョンに突然に切り替わる。
クリーム系のパスタや脂の乗った魚が人気になる。
手打ちパスタのクリームソースも急に売れ始めるから不思議だ。
麺職人クアトロの父が忙しくなる季節だ。
クアトロの手打ちパスタは小麦粉とタマゴをよく練って寝かして平たく打って畳んでといった作業から生まれる。
茹で上げられたそのパスタは、乾麺と違った小麦粉本来のデンプンが持つ、炊きたてのご飯と同じ美味しさがある。
そして手打ちパスタは平たく打って畳んでという作業を繰り返すことで小さな気泡を持っている。
手打ちパスタはその小さな気泡に旨味を取り入れる。
ソースはオイル系よりクリームソースのようなスープ系が手打ちパスタには馴染みやすい。
「生ハムときのこのクリームソース/タリアテッレ」や「四種チーズのクリームソース/タリアテッレ」の美味しさの秘密はその点にある。
手打ちパスタのもちもちっとした食感はデンプンの持つ特質と小さな気泡にある。
フーとため息をつきながら、麺職人クアトロの父は気持ちを麺作りにいそしむのであった。
※本日のディナーは貸切のため、一般の営業を休ませて頂きます。
フー