想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

懇ろ(ねんごろ)

2008-09-03 14:09:20 | Weblog
            ~シマコの背中~

 懇:コン ねんごろ
  
 貇:いのししが怒りたけって牙で土や作物を掘りかえす
   ことを墾といい、作物を根付かせるために深く掘って
   耕す心情を懇という。墾には「心をこめて、手厚く
   ねんごろ、まごころ」の意味がある。
               (常用字解・白川静 より)

  婚姻と同棲、どちらがいいか。
  妙齢の女性が考えている。

  夏ちゃんは同棲2年目でうまくいってるようだけど
  そろそろ結婚してもいいかなと言う。
  相談を聞いた夕美ちゃんは結婚に迷っている最中なので
  どっちがいいとも答えられない。同棲もいいかなと
  思ったりするわけで、結婚前提でつきあっている彼がいる
  けど踏ん切りがつかないのである。

  結論が出ない二人はうさこのところへやってきた。

  「懇ろね」と答えた。

  え、……?
  ふたりとも黙って顔を見合わせて、次ににやにやとした。
  だから~、それはどっちがいいってことですか~?

  懇ろならば、どちらも良し。と言って、うさこは蕎麦を
  ゆでることにした。
  ここいらは土地が貧しいから蕎麦は美味いんだよーと。

  うさこさんはどうして結婚しないんですか? と夏希ちゃんが
  すっとんきょうな声で言う。考えすぎて声が飛び出した感じ。
  それ、言う? と夕美ちゃんはほんとは聞きたかったというのを
  隠せない声だ。

  懇ろだからね。とうさこは答える。
  ところで同棲じゃなくて、それをいうなら共棲じゃないの?
  共棲なら結婚も同じでしょうが。
  財閥のお家相続するわけじゃあるまいし、庶民は同じ屋根の下に
  共に棲むだけでしょ、おんなじおんなじ。
  ふたりとも、「心をこめて、手厚く、まごころを与え合う」暮らし
  をすればよし、ですよ。
  だから、ねんごろなことが大事。
  ふたりで耕すんだわよ。

  蕎麦はすぐにゆであがり、ミョウガとネギをたくさん添えて
  大盛りざるが並ぶと、妙齢のふたりはさっと箸を手にとり
  「いただきまーす」と食い気、全開。
  子供なんだか、年頃の女性なんだかわからない。

  しあわせの形は、ふぞろいでいいのだと、思いますよ。
  無農薬栽培、です。
  
コメント
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