想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ハリセンボンノマス

2008-09-15 13:06:06 | Weblog
   「(ゆびきりげんまん)はりせんぼんの~ま~す
   ゆびきった!」 
   とは約束を誓うときに交わす言葉。
   上の文に読点を打て、そして漢字に置き換えよ。

   ハリセン ボン ノマス
   ハリセン ボン ノ マス
   ハリセン ボンノマ ス
   ハリ センボン ノマス

   針千本ってどんだけ~、じゃなくてどれだけあるのかと
   考えていたら、ふと、読点(、)の位置がズレ
   オヤジ思考になってしまったのである。
   オヤジの思考回路とは、謎が多い。常々接してそう思うのであるが、
   それが自分の脳内で起きている。
   ゆゆしきことだが、これは感染に相違ない、昨今の事情から考えるに。
   軽い風邪みたいなものだと思う、いや思いたい。

   ハリセンをボンが呑むという絵がまず眼に浮かぶ。
   ボンはぼんぼんのことで、盆ではないよ。

   嘘ついたぼんぼんがハリセンを飲み込むわけもない、
   すると、やはり針を千本呑まねばならん、となる。
   その前に指を切って(たぶん小指だろうが)、万回拳固で殴られるわけだ。
   激しくも厳しい掟を子供同士で交わしていたことになるなあ。   

   ゆびきりげんまんと歌うのはこどものころから馴染みなのに
   どうしてもハリセンとバカボンしか思い浮かばない。
   兎追いしかのやま~、と歌う「ふるさと」の歌詞をずっと頭の中で
   ウサギ美味しいか、野山と思っていたうさこである。
   漢字に置き換わって意味を示さないかぎり音だけだと、いかようにも
   解釈を許すのである。
   かくして約束は守られなくとも、殴った覚えもないし、殴られたこともない。

   昨夜の雨があがり、朝から晴れた日曜日。
   本榊をたくさんいただいたので、庭木にするべく
   ねずみ師とNつよし君はスコップで穴堀りしている。

   約束を破るというのは、つまり嘘つきである。
   嘘をつかない人生はない。いいえ、決してという人ほど、嘘臭い。

   穴の中へ向って、これまでついた嘘を吐き出して
   その上に榊を立て、封じ込める。

   作業をみているうさこは、勝手な想像でにやつくのである。

   古代よりこの国では神さまが降りる依代に榊を使う。
   榊は旺盛な繁殖力と常緑がとりえの木、
   特に稀少なものだから使われたというわけではない。
   榊があるから神が降りるわけでもない。

   榊は浄めた場所の目印で、結界を示すのである。
   して嘘を埋めた上に、どんな神さまをお招きするか?
   善神か、魔か、それがもんだいにゃ~(と、ごまかしたい問題)

   天物梁命(あめのこやねのみこと)は善にはたらく。
   邪をよせつけないハタラキであるから、さしずめ
   うそぼんぼんにとっては、もっとも苦手な神さまだな。

   千本針を飲むのも、拳固で殴られるのも、苦手な神さまといるのも
   同じくつらいことだろう。
   ならば、千本針を飲んで喉を血だらけにして声を失うより、
   善の方へ向き直るほうを選んだほうが、まだ未来があるだろう。

   ‥‥というカンタンな式が悪事にまみれた脳にはわからない。
   汚染、感染の悪循環から脱するには、穴堀り作業などもってこい、 
   坊さんが作務をするのは、空になるため、悪事を考える脳を使わないためである。
   それにしても、うそぼんぼんの魂はどこへ行った?
   野山をかけめぐり逃げて行ったのかもしれないなあ、穴の中は暗くてやだもんなあ。

   妄想を繰り広げている間に植え込みが終わってしまいました。
   どうせ、猫の手とうさこの手はあてにされておりません。


     十三夜(12日撮影)

   
     十五夜(14日撮影)

   夜になり、満月を観ることが叶いました、高速バス停まで送ったN君から
   「高速道路は雨降ってますよ」とケータイメールで。
   なのにこちらの空は晴れて、雲間から月光。
   神々のお遊び~。

   「お父さん、ありがとうございます」とおつきさんへ向かってつぶやいた。
   月が見たくてガン飛ばしてたうさこにしては、チョーうれしい夜であった。  
コメント
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