秋の光が射しています。
素肌には少し冷たい風に吹かれると
Tシャツで過せる季節がなごりおしい、
いい気なもんです、はい、そうです。
秋は遠足、運動会と行事が目白押しの季節だった
こども時代。(今は春の運動会のようですが)
うさこは秋が嫌いでした。
理由は、我が家の事情にあります。
記憶というのは恐ろしいもので、大人になっても
子どもの頃のまま、秋が深まるにつれ憂鬱だったものです。
~昔よく見かけた野の花、懐かしいので~
父を好きでした。
この秋は、父を偲ぶ日が多いようです。
我が家の事情はその父に起因していました。
大人にならないとわからない大人の事情というのが
あります。
当事の親の年齢を超えようとする今、わかってしまうと
子どもだった自分を悔やみますね。
子どもだからしかたがないのです。
でも、できれば父の友人か恋人、あるいは愛人でありたかった、
そして、「大丈夫です、あなたは間違っていない、どこまでも
一緒に行きます、あなたと」
そう強く言いたかった。
月を見れば父を想うといつか書きましたが、
この秋はほんとうに何年ぶりかで、よく月を見上げ
父と話をします。
とっくの昔に、父は「わたしの父であった人」になって
しまっているのに、です。
人は魂だけで向き合うと、父でも子でもなく
一個の命として互いを尊ぶのだということがよくわかります。
とても残念なことに、わたしはただの子ども、
それも出来の悪い子でしたけど。
月に向ってそのことを謝って、ちょっと心が静まるのです。