イダンヤ・ア・ノーヴァのサイトを出発する日は、アルガーヴと同じようによく晴れた気持ちのよい日だった。サイトの近くの湖も青空を映して真っ青、夏はこの辺りにハイキングに来る人が多くキャンプサイトは超満員になるという。
サイトの管理人が若い人で英語を話せるので近隣の見所を聞いたところ、10Km程行った小さな村にオリーヴ油を絞るところを見せてくれるところがあるというので、ちょうど進行方向、寄り道をしてみた。大きな農家を博物館に改造したもので、昔の手動の絞り機や、ロバがぐるぐる回って絞るなどの写真と図解がされていて、実際の道具などを見せてくれた。亭主と案内人の持って入る網の袋につぶしたオリーヴを入れ、それを何段にも重ねて上から圧縮するという。オリーヴは実が実ってもそのまま食べると苦いので、きっと何かを入れて中和させているに違いないが案内人が英語を全然話せないので残念だった。ここでは出来たオリーヴ油を売っているのかと思ったら、スーパーで買いなさいといわれてがっかりした。
ここからグアルダの町までなだらかな田舎道を走る。牧場は牛や羊が放牧され、時々通り過ぎる田舎の町はどこも道路よりは高台に造られている。これは12世紀ポルトガル初代王アルフォンソがそれまで君臨していたイスラム教徒を破り、ポルトガルの要所に防衛のための城砦を築いたためだ。
この辺りいったいはヨーロッパ産のミモザが満開で、それも谷間に多くたぶん種が川岸について繁殖したものだろう。いたるところにミモザの林が出来ていて辺りを黄金色に染めていた。
ポルトガルの北部地方もモンサントと同じ様に巨石の不毛地帯が多く見られた。
グアルダはポルトガルでも海抜の一番高いところにある町で、気温も低い。お昼過ぎにはキャンプサイトに落ち着き、サイトから歩いて2kmくらいの旧市街を見物に行った。
お城の残骸は学校の敷地にあり生徒たちが丘の上を走り回っていた。、すぐ近くの大聖堂は誰も居なくてひっそりと静まり返っていた。
旧市街を囲む城壁の外にモダンなショッピングモールを見つけ、ポルトガル最後の土産にオリーブ油を買ってきた。