すごい青空の翌日、町の横に広がる湖へフラミンゴを見に出かけた。本来ならばフラミンゴも冬の間はアフリカへ渡るはずだが、この辺りは冬もそれほど寒くないせいか,食べる物が豊富なせいか、それとも怠け者の一団のせいか、でここでのんびりくつろいでいるようだ。それでも人見知りするようで、私たちのいるほうには決して近寄ってこない。
湖も町に面したところは立派な遊歩道が作られて、夏の宵など夕涼みの家族ずれで賑わうだろう。しかし蚊がいるのじゃないかと心配ではあるが。
3日目の朝は小雨が降って、黒雲が広がっていたので、コート・セータを着込んで傘まで持って、国道と平行に走る作りかけのバイパスへ行ってみた。クリスマス前にセビリア地方は大洪水だったニュースを見たが、被害がこの辺りまで波及しているらしい。作りかけのまま放置されてしまったバイパスは人気も無く、あちこちコンクリの道端が崩れ落ちまるで砂の上に築いたもろい道路のようだ。
バイパスを横切る高圧電線の電柱にはコウノトリが巣をかけ、見渡す限りあちこちに巣が見える。
この町は夏に馬市が立つだけあって、バイパスの両側に牧場が広がり、又町外れもほとんどが牧場で、馬を調教している人や、乗馬している人たちを多く見かけた。
さてバイパスの行き止まりは町を外れた国道と出会うところだが、それまでに寸断された道路ではいつ再開されるのか判らない。この合流点に図らずも野鳥観察の自然公園が在った。松林の中の遊歩道は4.5kmも続き、水辺の淵にハイド(観察小屋)が設置されている。
遊歩道の両脇には野草の花が咲き、ねこやなぎは銀色の芽をふきわらびは30センチにも伸びている。トンボや蝶が飛び回ってこれが1月とは絶対に思えない。あまりの暑さにコートもセーターも脱ぎ日陰の涼しさを楽しみながら、自然公園を歩き回った。