ライン出版編集部

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ライン(rein)出版編集長の日常と雑感

第2回 練馬の文学発見

2009-10-17 20:34:37 | Weblog
小玉武氏の講演。
題して「五味康祐の横顔、そして石神井という文学の聖域」。

氏は㈱サントリー「洋酒天国」編集長だった方。
太宰治と石神井の関係性を説いている。
reinとしては、山口瞳を20代のころよく読んだので
話はそのあたりが興味深かった。

五味康祐はもちろん、
練馬に住んだ檀一雄、庄野潤三、森澄雄、石田波郷などについて
熱く語ってくれた小玉さん。
地元に関する話だけに客席は耳がダンボとなっていたみたい。
それにしても文壇の有名人が
こんなにたくさん練馬に集まり住んだのはなぜだろう。

ところで、石田波郷(はきょう)といえば尾崎秀樹(ほつき)さんを思い出す。
お願いしたエッセイが到着したとき、
達筆で読み取れない文字について問い合わせしたのがrein。

それは石田波郷の名前であった。
「石田のあとは波となんでしょうか?」
それに対して尾崎氏はなんと答えたか?
「あなたね~、石田波郷も知らないの?
有名な俳人ですよ!」
語気は強かった。
つまりあきれられてしまったのだ。
情けない編集者時代が苦々しくよみがえる。

このさき
練馬の文学発見のシリーズを端緒に
「練馬文化村」が確立されていくのかもしれない。
「池袋モンパルナス」のように。