ライン出版編集部

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ライン(rein)出版編集長の日常と雑感

三春探訪続編

2009-10-25 23:46:52 | Weblog
さて、M子さんの運転で三春の街のドライブを楽しんだ私たち。
次に向ったのは滝桜。

20代の頃亡母と訪れたときには畑の真ん中にあり、
満開時であっても人影は少なかったけれど
今はインターを降りられないほどの渋滞だと聞く。
相当数の花見客が押し寄せるらしい。
だから通は滝桜ではなくほかのシダレザクラを目指すのだそうだ。

しかし、時代は変わってもさすが滝桜、
1000年の歳月を経て
どっしりとした風格は変わらない。

色とりどりの紅葉が美しかったので
落ち葉を2枚拾った。

日も暮れかかり、急いで帰路に。
その帰り道、壮大なダム湖を見る。
さくら湖だという。
深呼吸したくなるほどの景観。
三人は思い出を胸にしまうかのようにしばしダム湖を眺めた。

その近くにある中郷(なかざと)小学校には
先ごろ宇宙から帰還した若田さんが持ち帰った滝桜の種が植えられているそうだ。
小学校まで行ってみたものの桜までは確認できず。

さらに帰途
明治時代に移転してきたという遊郭跡があると聞いて
立ち寄ってもらうことに。
県道から脇道に入り、庚申坂と呼ばれる坂を登り切ったところ。
4棟のうち両脇は人が住んでいるようだけれど、
真ん中の2棟はボロボロの廃屋。
壊れかけた格子窓から中を覗くと
絵が描かれた襖が見えた。
奥行きは深い。

ここで暮らした遊女は滝桜を見ることもできず、
近くのシダレザクラを眺めていたという。
その桜は「女郎桜」と呼ばれて今も残っている。

なんだか哀しげな話だ。

地元の人の話では
この建物保存の動きはまったくなく、
朽ち果てるの待つばかりだという。
遊郭保存には町も乗り気ではないようだ。

reinとしては、こうした遺構こそ残すべきと思うのだが。
予算がないのではどうしようもない。

以上で三春の町と別れを告げ、郡山に戻る。

(M子さん、ありがとうございました。)

K子ちゃんのお母さんとご主人に挨拶したあと
和食の店で夜遅くまで会食。
美日庵という落ち着いたステキな店だ。
お料理に桜やイチョウの落ち葉がふんだんに添えられていて
それらすべてをいただけたのがうれしかった。

夜もふけて宿に着き、寝ようとしたら
流星群を見ているんだ、という電話が入り
その話は延々と続き日付が変わってしまった。

長い長い一日はこうして終わった。

梅、桃、桜の花が同時に咲くから三春。
田村市ができたときも
合併に加わらなかった三春は、
その名を誇りとして桜を守り続ける。

26日(月)、NHK「鶴瓶の家族に乾杯」は三春から。
2回目。
滝桜も紹介されるのでぜひご覧ください。