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りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

安価の裏側。

2012-05-15 | Weblog
このブログをお読みのみなさんも既にご存知だろうが、先日、広島県福山市の
ホテルで7名の犠牲者を出す火事が起こってしまった。

まずは犠牲者の皆さまのご冥福を心からお祈りします。

ホテルのある福山市はボクが暮らす尾道の東隣りにある。
もっとも隣りと言えども、福山と尾道は一蓮托生のような関係なので、
今回の惨事に関しても、様々な龍言飛語が火事の直後から流れていた。

みなさんも薄々お察しだと思うが、今回火事になったホテルは、俗にいう
ラブホテルだ。

しかし、今回火事になったホテルの存在をボクは全く知らなかった。
場所は福山の大動脈である国道2号線から南に少し入った所にあった。
ホテルの存在は知らなくても、その辺りを何度か通ったことはあったのだが、
とにかく道が複雑に入り込んでいて、大げさではなく方向感覚を失いそうになった。
どうしてこんな迷路のような区画なのだろう?とうんざりしたが、後になって
聞いた話によると、終戦直前に福山も空襲があったのだが、なんでもその辺りは
奇跡的に空襲の被害を免れたそうで、戦前の街並みのままなのだそうだ。
火事が起こったホテルは、そんな隠れ家には打ってつけのような場所にあった
ラブホテルだったわけだ。

火事が起こったホテルは、格安のホテルだったそうだ。

ラブホテルだから若いカップルが利用することが想像できそうだが、このホテルは
そうではなかったらしい。
単刀直入に言えば、風俗目的で利用する人が多かったそうだ。
本来の目的の方でそれなりの金額が飛んでゆくので、場所代くらいはできるだけ
安く抑えたい・・・まぁ、そんなところなのだろう。
だから築50年であっても、増改築をして間取りが複雑であっても、廃れることなく、
今もそれなりにお客がいたらしい。
その結果が、今回の惨事につながった。

話は変わるが、GWの真っただ中に、関越道でツアーバスの大事故が起こった。

この事故の直後、事故を起こしたバスが、格安のツアーバスだったことがTVで
これでもかというほど報道されていた。

ボクはこの2つの事故は、今の日本を象徴しているような気してならない。

この20年、日本経済は安さばかりを追求してきた。
不景気だから仕方がないとか、デフレだから仕方がないとか、そんな言葉にすがり続け、
気がつけば、“消費は美徳”から“安価は美徳”にとって代わってしまったのでは
ないだろうか。
当たり前のことだが、他店や他製品と同じサービスを受けるのに、格段に値段が安いと
いうことは、必ずどこかで経費なり仕入なりを削減しなければ、決してその金額は達成
できないことなのだ。
そんなことは、少しでも社会と接点を持ったことがある人間ならば、誰にでも分かる
ことだろう。

福山のホテル火事の犠牲者も、関越道のツアーバスの犠牲者も、ボクには“安価は美徳”と
いう概念の悲惨な犠牲者に思えてならない。

そろそろ、この忘れかけていた(それとも、見ないようにしてきた?)安価の裏側に、
私たちは再び気がつかなければならない時に来ているのではないだろうか。

また話が変わるが、来月広島市内で、昔の仲間と集まる約束をしている。

久々の再会になるし、夜遅くまで歓楽街を徘徊するだろうから、終電に間に合わないのは
必至なので、ホテルを予約した。
ネットで検索し、様々なホテルを比較対象してボクが予約したホテルは、広島の歓楽街・
流川からほど近いビジネスホテルだった。

そのホテルを決めた理由?

どのホテルよりも、格段に安かったからさ。
コメント (2)
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