りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

村上春樹。

2008-07-02 | Weblog
僕は、自分を読書家だとはさらさら思ってはいないし、
実際に、そんなにたくさん他人より本を読んでいる人間だとは思わない。
それでも、“ある年齢に達したら読んでおいた方がいい”と思う「本」が
世の中にはあると、僕は思っている。

10代のサリンジャー。
30代の重松清。
40代の・・・(まだなっていないので分からない)という風に。

20代。しかも、その前半。
読める本は片っ端から読むべき年代ではあるが、
敢えて自分の経験則から挙げれば、村上春樹になる。
特に、デビュー作からの3部作。
「風の歌を聴け」
「1973年のピンボール」
「羊をめぐる冒険」

老婆心(男だけど)で言えば、
「風の詩・・・」は、夏の夜にビール片手に。
「1973年・・・」は、鈴虫の声を聴きながら秋の夜長に。
「羊・・・」は、太陽が燦々と降り注ぐ初夏に読むのがベスト、だと思う。

「風の詩・・・」は、読み進むうちに、絶対にビールが欲しくなる
欲しくならない方がおかしい(笑)

「1973年・・・」は、正直言って、あまり思い入れがない(笑)
個人的感想としては、1作目と3作目のつなぎという感じ。

「羊・・・」は、村上春樹の最高傑作だと僕は思う。
巷では彼の最高傑作の呼び名が高いのは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
らしいが、僕は断然「羊をめぐる冒険」を推す。
理由は、ある。そこには、明確な理由が存在するのだ。
それは・・・僕は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読んでいない(爆)


「羊・・・」は貪るように読んだ。大学時代だ。
大学の大講義室の真後ろの席を陣取って、「経済原論」や「フランス文化論」の
講義の最中、そっちのけで読みふけった。

主人公はすべて同じ人物。20代だ。「風・・・」では21歳。「羊・・・」の時には
29歳(だったかな?)になっていた。
主人公は「羊・・・」の最終章で、故郷の砂浜で2時間泣き続ける。
僕には、それがまるで20代が終わることに対して、青春が終わることに対して
泣いているように思えた。

今月の終わりには、梅雨が明ける。
梅雨が明けると、また暑い夏が来る。
夏が来たら、暑い夏がまた来たら、
僕はきっと今年も缶ビール片手に「風の歌を聴け」を読むことだろう。



・・・いや、今のご時世、ビールじゃなくて、発泡酒かな(苦笑)
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2 コメント

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わあい! (みり)
2008-07-02 21:13:00
「ダンス・ダンス・ダンス」も入れて「鼠四部作」。
ポテト食べたくなりまぁす。

でもいいなー毎年読みたくなる本があるって。
返信する
文化的雪かき。 (りきる)
2008-07-03 09:49:18
>みりちゃん

もちろん、「ダンス・ダンス・ダンス」も読みましたよ (^0^)/
でも、時間も少し経ってからの発表だったし、僕には、
初期三部作の長い長い後日談のような印象でした。

でも物語の中の「文化的雪かき」という言葉は、
今でも胸に焼き付いてますね。

まさに、今の僕の仕事だから(爆)
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