rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

カエルの座布団? それとも東屋?

2011-06-04 21:07:56 | 生き物たち


朝、いつものように薔薇たちを眺めていたら、なにやら重そうに頭をかしげている咲きかけの一輪があった。
よく見ると、花びらの内側に、なにやら黒っぽい影が。
恐る恐る近づいて覗き込むと、小さなカエルが1匹もぐり込んでいた。
よくもまあ、こんな隙間にもぐり込んだこと!
写真を撮りたいと思ったが、手元にカメラはなく、取りに行く余裕がない。
後で庭に出るときには、カメラを持ってくるのを忘れないようにと、心に留めた。
2時間ほどたってから、庭に出た。
>カエルはいるかしら?
日光を浴びて薔薇の花が開いた花びらの上に、ちょこなんとカエルがくつろいでいる。
しかも、日陰を選んで座る位置を決めているようだ。
>やっぱりコレは、写真でしょう。
カメラを構えてシャッターを切っても、逃げるそぶりはない。
良いモデル。

こんな、小さな生き物との幸せな出会い、当然のことではない。
数々の奇跡を乗り越えて、偶然にめぐり合うことなのだ。
その場に居合わせたもの全てが、奇跡的にその場と時間を共有しただけのこと。
だから、カエルにも薔薇にもお日様にも、感謝して、喜びを分かち合いたい。
ありがとう。





サヴォア地方のベニス、フランス:アヌシー、アルプスを望む町

2011-06-04 00:19:54 | 街たち
『世界ふれあい街歩き』、フランス:アヌシー。
フランスで2番目に大きい湖アヌシー湖は、ヨーロッパ屈指の透明度を誇る湖。
セルリアンブルーに透き通った水は、アルプスの山々を映し出す。
周囲38キロの湖岸には、アヌシーのほかに小さな村がいくつか点在している。

ティウー川に沿って、古めかしい建物が立ち並ぶ。
樹齢50年の白藤が絡む建物は、400年前、ルイ14世の時代に作られたもの。
4月、藤の花が咲いた後は、気温が上がり、過ごしやすい季節の到来を示す。
このあたり、アヌシー湖の水位を調整するためのティウー川沿いの旧市街の建物は、町が出来始めた12世紀ごろからのものがいまだ健在だという。
「白藤の館」の住人は、ティウー川とアルプスを眺めながら、お気に入りの藤の生い茂るテラスで食事をするのが一番の楽しみらしい。
たしかに、誰もが出来る楽しみではない、贅沢至極の環境だ。

青空市場は、いつもの如く目が釘付けに。
種類豊富なチーズとパン、季節の果物、それに花も。
土地柄か、栽培したエーデルワイスの花が売られていた。
まさしく、銀色に輝く星のよう、花言葉の「幸運を呼ぶ」通りに、流れ星となって幸運を運んできてくれそうだ。

アヌシーは、フランスを代表するカリヨン製造工場がある。
ベルギー発祥のカリヨンが、ここサヴォワ地方とブルゴーニュ地方でも盛んに教会に設置され、人々の耳を楽しませている。
たしかに、山々に囲まれ湖に面した土地には、大小さまざまな鐘の音のカリヨンの清らかな響きが似合いそうだ。

アヌシー名物の『がまの穂チョコレート』は、あるパティシエが新製品の開発に思いあぐねていたときに、湖畔に生えているがまの穂にヒントを得たらしい。
アヌシー湖に寄り添って生きているアヌシーの人にとって、湖水の浄化をしてくれる水生植物のがまの穂は、身近で大切なものだ。
ならば、がまの穂を模ったお菓子の登場は、自然に受け入れやすいものだったろう。
煮立てたザラメにエスプレッソ珈琲を加えて、でんぷんの型に流し入れ、表面が砂糖の外殻の中にはエスプレッソソースが閉じ込められて、その上にクラッシュチョコレートをまぶしで出来上がり。
それは、エスプレッソチョコボンボンのような感じ。
珈琲もチョコレートも相性抜群だから、美味しいこと間違えない、きっと。

この街の人は、ゆっくり話し、人々の表情がみんな幸せそうだった。
澄んだ綺麗な湖と、雄大なアルプスの山々が、そう人の顔を作るのだろうか?
環境が、人をつくる。
どんな意味での環境か、全てにおいての環境だろうけれども、もとよりの美しく恵まれた環境が、出発点だとは思うけれど。