朝、いつものように薔薇たちを眺めていたら、なにやら重そうに頭をかしげている咲きかけの一輪があった。
よく見ると、花びらの内側に、なにやら黒っぽい影が。
恐る恐る近づいて覗き込むと、小さなカエルが1匹もぐり込んでいた。
よくもまあ、こんな隙間にもぐり込んだこと!
写真を撮りたいと思ったが、手元にカメラはなく、取りに行く余裕がない。
後で庭に出るときには、カメラを持ってくるのを忘れないようにと、心に留めた。
2時間ほどたってから、庭に出た。
>カエルはいるかしら?
日光を浴びて薔薇の花が開いた花びらの上に、ちょこなんとカエルがくつろいでいる。
しかも、日陰を選んで座る位置を決めているようだ。
>やっぱりコレは、写真でしょう。
カメラを構えてシャッターを切っても、逃げるそぶりはない。
良いモデル。
こんな、小さな生き物との幸せな出会い、当然のことではない。
数々の奇跡を乗り越えて、偶然にめぐり合うことなのだ。
その場に居合わせたもの全てが、奇跡的にその場と時間を共有しただけのこと。
だから、カエルにも薔薇にもお日様にも、感謝して、喜びを分かち合いたい。
ありがとう。