rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

それぞれの「フランダースの犬」

2012-03-20 23:41:01 | 映画
アニメ「フランダースの犬」の再放送を、某テレビ局でしている。
今、物語はクライマックスにはいったところ。
小さい人がこのアニメを見ているのだが、夕食時に重なり、家人と中くらいの人と自分は、どうも食事が咽喉を通りにくく感じてしまう。
だから、画面が視界に入らないよううつむいて食事をした。

自分が小学生に上がる頃、母が本を買ってきて読み聞かせしてくれたのが、この物語との出会い。
毎日寝る前に数ページずつ読んでもらった。
貧しくともひたむきに生きるネロ少年を、心から応援し、幸せになれるよう願って話を聞いていた。
ルーベンスの祭壇画、アントワープ、白黒の絵・・・幼い子供心に、特別な物として刻み込みながら。
その当時使っていたコーヒーカップの絵柄が、木々の生い茂る小川のほとりにある水車小屋だったか、銅版画のタッチで描かれ、それを拠りどころに物語の風景を想像して聞いていた。

それから数年後に、テレビアニメとして「フランダースの犬」が放映されたとき、話の筋を知りながらも毎週欠かさず見たものだ。
まだ、子供だったのだ。
今の小さい人と変わることなく、ただ楽しく見ていただけ。
でも、今は、辛すぎてとても見てはいられない。
ネロは、いつの世でも世界中に存在すると思うから。

人は、貧困や飢えなどだけで死ぬわけではない。
生きる希望が消え失せたときに、死ぬこともあるのだ。
生きようとする気力を削がれることは、自らの命を諦めるに等しい。

自分を振り返っても、それは考えすぎなのだが、子供に見せたい物語・アニメではない「フランダースの犬」。
何でも、アメリカでは、この物語の悲惨な結末は子供向きではないとして変更したと聞く。
そうまでしなくともいい、進んで見せるものではないだけだ。

夕食が終わり、すぐさま後片付けに台所へ向かった。
小さい人が続けて見ていたところ、耐え切れなくなった中くらいの人にチャンネルを変えられたと、報告にやって来た。
さて、どうしたものか。
ただの物語として見ている小さい人の気持ちも分かるが、中くらいの人の気持ちも分かる。
夕食の団欒のひと時を、理不尽な悲しみ色にしたくない気持ちが勝って、中くらいの人をあえて咎めないと小さい人に告げた。
小さい人は・・・今の時点では、それを理解できないだろうと思うけれども。


”記憶のタグ”青春の切なさとあいまって、エヴリシング・バット・ザ・ガール

2012-03-20 00:22:12 | 音楽たちーいろいろ
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Tender Blue

夢を追いかけながら、人生経験にと飛び込んだ職場でかかっていたBGMで知った、エヴリシング・バット・ザ・ガール。
そして、はじめてCDを買ったアルバムでもある”エデン Eden"。
それに収録されている”Tender Blue"は、希望と不安で毎日が輝いていた、甘酸っぱく切ない青春に添えられた曲だ。

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Driving

”ランゲージ・オブ・ライフ The Language of Life' ”は、本気で夢に歩き始めた頃によく聴いていたアルバム。
シャーデーとデヴィッド・シルヴィアン、この三者の曲とともに聴き込んだ、記憶に深く刷り込まれた曲たち。
今もこれらの曲を聴くたびに、鮮やかに蘇る当時の様子と未来に湧き立つ心。
輝いていた日々。

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Missing

彼らの音楽から疎遠になっていた時期に発売されたアルバム”アンプリファイド・ハート Amplified Heart”。
たぶん、自身の不安定さが、きらきらしたときの思い出を髣髴させる彼らの曲を聴くに耐えられなかったからだ。

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night and day

ヴォーカルのトレイシー・ソーン初期のソロアルバム”A Distant Shore ”に収められている。
彼女の声は、ボサ・ノバにぴったりだ。
クールな歌声は、また違ったボサ・ノバを楽しませてくれる。

こうして、Everything But The Girl の曲をざっと振り返ってみて、やっぱり胸の辺りがきゅんとする。
音楽は不思議なものだ、巧妙に人生に絡んでいる。
前にも何度か書いているが、”記憶のタグ”として重要な役割を担っているのだな。