「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」メキシコの首都、メキシコシティー。
標高2200メートルの高地にある、太陽が容赦なく照りつける人口2000万人の大都市だ。
アステカ王国の都テノチティトランが、基になっている。
街並みは、16世紀のスペイン統治時代に流行したコロニアル様式が今も残り、オレンジにピンク、黄色などの鮮やかな色が施され、高地の強い陽差しに負けない存在感を誇示している。
コヨアカン地区は、ことさらにカラフルで、ファミリア・ブロンの壁画が、ポップでユーモラスな味付けをしていた。
ガリバルディ広場は、夜の9時を迎えると、マリアッチによって一変する。
マリアッチは、もともと流しのギター弾きから始まったもので、バイオリン、ギター、トタンペットを中心にした演奏集団だ。
たくさんのマリアッチたちによって、方々で演奏が始まり、歌い踊る人の群れが、夜の更けるのも忘れて時を過ごす。
シウダテーラ市場は、メキシコならではの物が、ひしめき売られている。
目を引くものに、赤や黒に青など原色で色づけされたガイコツがある。
呪術的文化が今なお強く残るメキシコでは、死者の弔いのために飾る習慣があるからだ。
アロエは、食用や薬用ばかりではなく、呪いにも用いられるのは、お国柄。
棘のあるアロエは、魔よけとして赤いリボンをつけて、店の入り口に置き、商売繁盛を願うのだ。
メキシコは、世界一の銀の産出国。
銀製品のアクセサリーも、数多く売られている。
面白いことに、アクセサリーの値段は、銀の重さで決まるという。
デザインや加工には、関係なく。
こんなメキシコでも、銀は高価な代物。
銀の代替品として発達した、メキシカンピューターがある。
ピューターとは、錫などを使った合金のこと。
しかし、メキシコでは、より管理の楽なアルミを使用。
銀細工師による細かな細工が施され、銀細工より50分の1という価格が魅力だという。
メキシコ料理でもっとも有名なのは、タコス。
とうもろこし粉の生地を薄く焼いたトルティーヤに、肉や野菜などをいためた具にサルサをかけて味付けしたものをはさんだもの。
サルサとは、意味そのものがソースのこと。
メキシコならではのチーズに、オアハカチーズというものがある。
南部オアハカ州の名産品で、裂けるチーズ、加熱すると恐ろしいほど伸びるのが特徴。
このオアハカチーズを使ったケソ・フォンディードは、メキシコ風チーズフォンデュ。
オアハカチーズにサルサを加えて加熱してできる。
サルサの辛さをチーズがまろやかにして、実に惹かれる食べ物だ。
メキシコシティーから南へ30キロほどのところにある、自然豊かな水郷の街。
ここは、屋形船トラヒネラが、有名だ。
やはり色とりどりの原色で塗られた船で、遊覧観光をする。
マリアッチのトラヒネラが、観光に音楽を添え、そのトラヒネラが行きかう間に間を、さまざまな商品を乗せて小船が通る。
トラヒネラに揺られながら、茹でとうもろこしにチーズとチリパウダーをたっぷりかけたものを頬張るのが、正しい観光の仕方なのだろう。
トゥナという、ウチワサボテンの実の皮をむき、砂糖・氷・水を加えてミキサーにかけたジュースは、いうなればキウイの味。
ハマイカジュースは、ハイビスカスの花を煮出して作った、鮮やかな赤い色の酸味が爽やかなジュース。
ヒカマは、マメ科の植物の瘤根で野菜。
食感は、果物の梨に似ている。
そのスライスしたものに、いろいろなフレーバーの粉をまぶして食べるおやつ。
その粉の中に、どういうわけか、チリパウダーが堂々と異彩を放っている。
メキシコ人の好む味に、酸味と甘味、それに辛味のコラボレーションがある。
先のとうもろこしの食べ方にも、その片鱗は現れていたが、ちょっと驚きの感覚だ。
いやはや驚くことはない、日本人も甘辛しょっぱいが実は好きな味の組み合わせだったではないか。
こうしてみると、メキシコは強烈な国だ。
太陽に近いところにいるせいなのか。
強い光に照り付けられたコントラストのある環境が、明暗はっきりとした風土を醸し出したのは間違いないだろう。
動かしがたい生と死があり、善き悪しきも混然と入り混じり、それ以外はない。
現在のメキシコは、非道な暴力沙汰も横行し、とても穏やかに生きられなさそうだ。
でも、人々は笑い、食べ、働き、強く生きている。
原始の生命力が、息づくところなのだ。
標高2200メートルの高地にある、太陽が容赦なく照りつける人口2000万人の大都市だ。
アステカ王国の都テノチティトランが、基になっている。
街並みは、16世紀のスペイン統治時代に流行したコロニアル様式が今も残り、オレンジにピンク、黄色などの鮮やかな色が施され、高地の強い陽差しに負けない存在感を誇示している。
コヨアカン地区は、ことさらにカラフルで、ファミリア・ブロンの壁画が、ポップでユーモラスな味付けをしていた。
ガリバルディ広場は、夜の9時を迎えると、マリアッチによって一変する。
マリアッチは、もともと流しのギター弾きから始まったもので、バイオリン、ギター、トタンペットを中心にした演奏集団だ。
たくさんのマリアッチたちによって、方々で演奏が始まり、歌い踊る人の群れが、夜の更けるのも忘れて時を過ごす。
シウダテーラ市場は、メキシコならではの物が、ひしめき売られている。
目を引くものに、赤や黒に青など原色で色づけされたガイコツがある。
呪術的文化が今なお強く残るメキシコでは、死者の弔いのために飾る習慣があるからだ。
アロエは、食用や薬用ばかりではなく、呪いにも用いられるのは、お国柄。
棘のあるアロエは、魔よけとして赤いリボンをつけて、店の入り口に置き、商売繁盛を願うのだ。
メキシコは、世界一の銀の産出国。
銀製品のアクセサリーも、数多く売られている。
面白いことに、アクセサリーの値段は、銀の重さで決まるという。
デザインや加工には、関係なく。
こんなメキシコでも、銀は高価な代物。
銀の代替品として発達した、メキシカンピューターがある。
ピューターとは、錫などを使った合金のこと。
しかし、メキシコでは、より管理の楽なアルミを使用。
銀細工師による細かな細工が施され、銀細工より50分の1という価格が魅力だという。
メキシコ料理でもっとも有名なのは、タコス。
とうもろこし粉の生地を薄く焼いたトルティーヤに、肉や野菜などをいためた具にサルサをかけて味付けしたものをはさんだもの。
サルサとは、意味そのものがソースのこと。
メキシコならではのチーズに、オアハカチーズというものがある。
南部オアハカ州の名産品で、裂けるチーズ、加熱すると恐ろしいほど伸びるのが特徴。
このオアハカチーズを使ったケソ・フォンディードは、メキシコ風チーズフォンデュ。
オアハカチーズにサルサを加えて加熱してできる。
サルサの辛さをチーズがまろやかにして、実に惹かれる食べ物だ。
メキシコシティーから南へ30キロほどのところにある、自然豊かな水郷の街。
ここは、屋形船トラヒネラが、有名だ。
やはり色とりどりの原色で塗られた船で、遊覧観光をする。
マリアッチのトラヒネラが、観光に音楽を添え、そのトラヒネラが行きかう間に間を、さまざまな商品を乗せて小船が通る。
トラヒネラに揺られながら、茹でとうもろこしにチーズとチリパウダーをたっぷりかけたものを頬張るのが、正しい観光の仕方なのだろう。
トゥナという、ウチワサボテンの実の皮をむき、砂糖・氷・水を加えてミキサーにかけたジュースは、いうなればキウイの味。
ハマイカジュースは、ハイビスカスの花を煮出して作った、鮮やかな赤い色の酸味が爽やかなジュース。
ヒカマは、マメ科の植物の瘤根で野菜。
食感は、果物の梨に似ている。
そのスライスしたものに、いろいろなフレーバーの粉をまぶして食べるおやつ。
その粉の中に、どういうわけか、チリパウダーが堂々と異彩を放っている。
メキシコ人の好む味に、酸味と甘味、それに辛味のコラボレーションがある。
先のとうもろこしの食べ方にも、その片鱗は現れていたが、ちょっと驚きの感覚だ。
いやはや驚くことはない、日本人も甘辛しょっぱいが実は好きな味の組み合わせだったではないか。
こうしてみると、メキシコは強烈な国だ。
太陽に近いところにいるせいなのか。
強い光に照り付けられたコントラストのある環境が、明暗はっきりとした風土を醸し出したのは間違いないだろう。
動かしがたい生と死があり、善き悪しきも混然と入り混じり、それ以外はない。
現在のメキシコは、非道な暴力沙汰も横行し、とても穏やかに生きられなさそうだ。
でも、人々は笑い、食べ、働き、強く生きている。
原始の生命力が、息づくところなのだ。