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皆様、こんにちは。
今月のラボ便りでは、「透明帯」についてご説明致します。
「透明帯」とは、卵子・受精卵を覆っている透明な薄い膜のことを言います。
「透明帯」の働きは、卵子の時・受精卵の時によって異なります。
《卵子の時》
卵子を覆っている時の透明帯は、正常な受精が出来るよう保護しています。
卵子には1つの精子が入り、受精が起こります。
ここで2つ以上の精子が入ってしまうと、異常な受精となってしまいます。
すると、受精卵の成長は止まってしまいます。
透明帯には、この異常な受精を防ぐ働きがあります。
1つの精子が卵子に入ると同時に、
透明帯はそれ以上精子が入ることの出来ぬよう、性質を変えます。
《受精卵の時》
卵子が正常な受精をし、成長を進めるにつれ、細胞数が増えていきます。
この時期の透明帯の働きは、分割した細胞がバラバラになってしまわないように保護することです。
受精卵の細胞同士は融合し、充分に育つまで、透明帯の中で過ごします。
その後、着床の時期を迎えると、
透明帯から中の細胞が脱出し、子宮の内膜に着床します。
透明帯には以上のような働きがあると共に、
年齢が上がると硬くなってしまう性質もあります。
透明帯が硬くなると、精子が透明帯を通過できなくなり、受精しづらくなります。
また、着床の時には、中の細胞が透明帯から脱出できなくなり、
着床を妨げてしまうことがあります。
体外受精・顕微受精では、
透明帯の硬い卵子であっても受精・着床をさせることが出来ます。
顕微受精を行えば、針で精子を注入するため、
透明帯が硬くても受精することができます。
また、透明帯に切れ込みをいれる(アシステッドハッチング)を行った受精卵を子宮へ移植しているため、
透明帯が硬くても透明帯から中の細胞が脱出しやくすなり、着床を促すことができます。
本年も、ラボスタッフ一同、患者さんが一日も早く妊娠して頂けるよう、
誠心誠意取り組んで参ります。
本年も宜しくお願い致します。
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