つれづれ日記

心と目の記録

命がけの思いをしたのは

2018-08-01 16:40:12 | Weblog
 

 ノラの子猫ちゃん (サビ猫の子)


 現在はノラの子猫ちゃんたちが幸せに生きられる平和な世の中です。

 西日本に甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」で

 昭和20年の広島の台風の後に体験した記憶を確かめようと

 昭和20年の日記帳を出して読みました。

 

 広島に疎開していた私は父が会社の会議に出席するため

 どうしても9月25日までに東京に帰らないとならないので

 枕崎台風の被害にあった8里の山坂を超えて

 山陽本線の駅まで歩いて帰るというのです。

 私と妹は早く東京の女学校に戻りたかったので一緒に帰ることにしました。

 日記には学校の授業が遅れてしまうのを心配して書いてあります。

 川の橋は落ちているので一本橋はおなごは渡れんという親戚のおじさまの言葉は聞かず

 帰りたい一心でした。

 山陽本線の下りは本郷から山口県の柳井港までは、崖崩れ、築堤崩壊、線路埋没などで

 多数の被害が出ました。開通は10月中旬以後と言われ本郷まで歩くしかありません。

 三人の近所のお兄さんが重いい荷物を持って送ってくれたのですが

 どうしても渡らねば先の道に進めない橋が落ちていていました。

 垂直に3メートル近く崩れた岩の下に、臨時にかけられた細い板の橋を渡るのに

 命がけです。

 崖を降りるだけでも勇気と体力がいり。川に落ちないように集中して

 細い板を渡ったのです。命がけの思いは生涯この時だけです。

 本郷から乗った汽車は次々窓からも人が乗り込み、

 汽車の屋根には復員軍人が乗っていました。

 24時間かかって着いた東京駅の屋根はなくすべてが変わっていました。