タキさんの押しつけ映画評・123 最終号
『ARISEとお知らせ』
この春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ
これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです
攻殻機動隊:ARISE4完結いたしました。
ちょっと違うストーリーを予想していて、肝心の導入部を読み間違って、帰宅してディスクを見返した上で書いています。毎度、本作は一筋縄では行きません。それは全くそうで、なんせ25年前に、今日の社会情勢、水の問題、人間心理の変化……などなど、見事によみきった作品。それをウブカタ・トウが深読みに読み込んで、“公安9課攻性部隊”結成前夜を描いている。確かにファン数はワンピースに比べれば極少数、しかし、そのコアさ加減は並みじゃない。少しでもミスればズタズタにされてしまう。それを、納得の深い溜め息と拍手の中に劇場を巻き込むのだから、こいつは凄い!まさに脱帽です。
さて、本シリーズ、幕開けから“電脳ハックと疑似記憶”が物語のメインを流れています。各人が、その必要に応じて義体(サイボーグ)化し、肉体に手は入れずとも、何らかのコンピューターと外部接続端子は、この時代の人間には必要な装備
。現代の我々が携帯電話なしに生活する事が困難なようにです。
ただ、そうなると、外部からの操作で偽物の情報を与えられる危険性が惹起してくる。しかも、与えられるだけでなく記憶を書き換えられる可能性が出てくる。物語の前提として、人間の精神の最奥部には、その人固有のゴースト(魂?個人を個人たらしめる精神)が存在し、未だ、ゴーストのハックは研究中の段階。
原作①には、ゴーストのコピーを作る逸話が出てきますが、本シリーズは原作の前夜ですから、まだ、そこまでの技術は無いとなっています。
本シリーズ③のラストに一人の少女が登場しましたが、彼女は草薙少佐と戦えるかと問われ、頷いていました。そのときは、単に電脳ハックのスペシャリスト?くらいにしか思っていませんでした。
本作導入部、多数の人間が同時にハックされているシーンから始まります。 なる程、そういう能力なんやね……と見ているとさにあらず、彼女はもっととんでもない能力を秘めていました。さらに、その後ろに501部隊の影が見え隠れするわ、軍部の暗躍はあるわ、某国の謀略が絡むは……ややこしいったらありゃしねぇ、とても一回見ただけじゃ取りこぼしが出てしまいます。と、まぁ、あんまり喋ったんじゃファンの皆さんの興味を殺いじゃうんでこの辺にしときます。
そこで爆弾情報!来年、“攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL”最新作劇場版公開です!どこまで続く? 本作には、原作では不明であった、設定のアンダーグラウンドに答える部分が幾つもあります。一番大きな所はゴーストに対する考え方でしょう。後日、草薙が出会って一体となるA.I.人形使いにゴーストは在ったのか(在ると結論せざるを得ないが、それはこれまでデータ不足で、ストーリー設定を受け入れているだけだった) 草薙と人形使いはネットの中に入っていくが、果たしてネットの中にまでゴーストは持っていけるのか。 ゴーストとは、複雑ではあるが、ある種のデータに過ぎないのか……知的(痴的?)興奮を覚えますね。
さて、小咄程度ですが、素子達のバックアップロボット(A.I.を組み込んだロジスティック・コンベイヤー・マシン 通称ロジコマ)は、原作では“フチコマ”と呼ばれていました。これは、日本神話にある、素戔嗚尊の乗馬「天乃斑駒」からの命名、アニメシリーズのロジコマが“タチコマ”と呼ばれるのは、「タチコマはフチコマより“立っている”から」……だそうです。(´ヘ`;)はぁ~~なんだんねん!の真相でありました。チャンチャン。
お知らせであります。 私、映画評のゴーストゴーストライターをやっていた関係で、その下書きを兼ねて、当「押し付け映画評」を配信してきましたが、実は、私に仕事を振ってくれていた編集事務所は、本年初めに解散しています。 今までも、同じような事態は何度かあったのですが、そのたび復活していました。しかし、どうやら今回はこれまでのようで、社長も編集長も、老後の楽しみとか言って、この春から海外に消えとります。
これまでは、編集スタッフだった女性が二人、仕事を取り次いでくれていたのですが、一人が結婚し、残っていた一人も、今回を最後に別な編集局に就職しました。 まぁ、別に、個人的に見に行ってウダウダ書きゃあええだけですが、ちょっと一息つきたいと思います。 気にはなってるんですよ来週の「舞妓はレディ」えらい顔ぶれです。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」こいつら来年のアベンジャーズに登場?「るろうに剣心」どんな決着? 猿の惑星」予告見る分には予想してたのと違うみたい。「ゲッタウェイ」は期待はずれでしょう。「世界一受けたいお稽古」活ける伝説、ピーター・ブルックの舞台演出ドキュメント。10月に入って「蜩の記」岡田准一 今回はいかに、「ミリオンダラーアーム」インドからメジャーリーガーは生まれるか? 「不思議な岬の物語」大して期待なし。アタシャ吉永小百合さんをあんまり評価しとりません、竹内結子さんも、ちょっとオバチャン化?「誰よりも狙われた男」フィリップ・シーモア・ホフマン遺作、ジョン・ル・カレ原作。「ヘラクレス」う~~怖いなぁ~。あと、年内、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ「美女と野獣」実写、説明不要「エクスペンダブルス3」、期待してます!クリストファー・ノーラン監督「インターステラー」。ついにやります「寄生獣」 ブラピの「フューリー」はプライベートライアンの焼き直し以上の物語を見せられる?ディズニーの「ベイマックス」は日本人のお話、これは何らかのムーブメントの先駆け? 年明け、黒人版「アニー」やいかに、ほんで最大興味は「エクソダス」“十戒”のリブートであります。クリスチャン・ベールのモーセです。“ノア”みたいに、またまたいがんだ聖書物語に成っちゃうんでしょうか、私の記憶に残る、一番始めの映画はチャールトン・ヘストンの「十戒」です。さて、どうなんでしょうね。
これまで何度も言って来ました。人がなんと言おうとも、あなたが「面白い!」と思う映画が面白い作品です。「こりゃ、テレビでええわ」とか「こんなもん、見やんでええ〓」っつな作品もございますが、それはそれで、見た後ブツブツうなるのも楽しいもんです。 皆さん、映画を愛して下さいね。私のウダウダに返事をくださった多くの方々、喧嘩した事もありましたね。クェンティン・タランティーノは言うに及ばず、リチャード・ロドリゲスファンの皆さん、よう ド突きあいにならんかったですね、いや面白かったです。では、またどこかでお会いするかも……しばし、お別れいたします。
お付き合い、心より感謝いたします。 サイナラ〓さいなら〓サイナラ〓 アハハハ パクリヤ〓
※:次回からは、滝川浩一くんが残した書評やエッセイを掲載いたします。ご愛読ありがとうございました。 大橋 むつお
『ARISEとお知らせ』
この春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ
これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです
攻殻機動隊:ARISE4完結いたしました。
ちょっと違うストーリーを予想していて、肝心の導入部を読み間違って、帰宅してディスクを見返した上で書いています。毎度、本作は一筋縄では行きません。それは全くそうで、なんせ25年前に、今日の社会情勢、水の問題、人間心理の変化……などなど、見事によみきった作品。それをウブカタ・トウが深読みに読み込んで、“公安9課攻性部隊”結成前夜を描いている。確かにファン数はワンピースに比べれば極少数、しかし、そのコアさ加減は並みじゃない。少しでもミスればズタズタにされてしまう。それを、納得の深い溜め息と拍手の中に劇場を巻き込むのだから、こいつは凄い!まさに脱帽です。
さて、本シリーズ、幕開けから“電脳ハックと疑似記憶”が物語のメインを流れています。各人が、その必要に応じて義体(サイボーグ)化し、肉体に手は入れずとも、何らかのコンピューターと外部接続端子は、この時代の人間には必要な装備
。現代の我々が携帯電話なしに生活する事が困難なようにです。
ただ、そうなると、外部からの操作で偽物の情報を与えられる危険性が惹起してくる。しかも、与えられるだけでなく記憶を書き換えられる可能性が出てくる。物語の前提として、人間の精神の最奥部には、その人固有のゴースト(魂?個人を個人たらしめる精神)が存在し、未だ、ゴーストのハックは研究中の段階。
原作①には、ゴーストのコピーを作る逸話が出てきますが、本シリーズは原作の前夜ですから、まだ、そこまでの技術は無いとなっています。
本シリーズ③のラストに一人の少女が登場しましたが、彼女は草薙少佐と戦えるかと問われ、頷いていました。そのときは、単に電脳ハックのスペシャリスト?くらいにしか思っていませんでした。
本作導入部、多数の人間が同時にハックされているシーンから始まります。 なる程、そういう能力なんやね……と見ているとさにあらず、彼女はもっととんでもない能力を秘めていました。さらに、その後ろに501部隊の影が見え隠れするわ、軍部の暗躍はあるわ、某国の謀略が絡むは……ややこしいったらありゃしねぇ、とても一回見ただけじゃ取りこぼしが出てしまいます。と、まぁ、あんまり喋ったんじゃファンの皆さんの興味を殺いじゃうんでこの辺にしときます。
そこで爆弾情報!来年、“攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL”最新作劇場版公開です!どこまで続く? 本作には、原作では不明であった、設定のアンダーグラウンドに答える部分が幾つもあります。一番大きな所はゴーストに対する考え方でしょう。後日、草薙が出会って一体となるA.I.人形使いにゴーストは在ったのか(在ると結論せざるを得ないが、それはこれまでデータ不足で、ストーリー設定を受け入れているだけだった) 草薙と人形使いはネットの中に入っていくが、果たしてネットの中にまでゴーストは持っていけるのか。 ゴーストとは、複雑ではあるが、ある種のデータに過ぎないのか……知的(痴的?)興奮を覚えますね。
さて、小咄程度ですが、素子達のバックアップロボット(A.I.を組み込んだロジスティック・コンベイヤー・マシン 通称ロジコマ)は、原作では“フチコマ”と呼ばれていました。これは、日本神話にある、素戔嗚尊の乗馬「天乃斑駒」からの命名、アニメシリーズのロジコマが“タチコマ”と呼ばれるのは、「タチコマはフチコマより“立っている”から」……だそうです。(´ヘ`;)はぁ~~なんだんねん!の真相でありました。チャンチャン。
お知らせであります。 私、映画評のゴーストゴーストライターをやっていた関係で、その下書きを兼ねて、当「押し付け映画評」を配信してきましたが、実は、私に仕事を振ってくれていた編集事務所は、本年初めに解散しています。 今までも、同じような事態は何度かあったのですが、そのたび復活していました。しかし、どうやら今回はこれまでのようで、社長も編集長も、老後の楽しみとか言って、この春から海外に消えとります。
これまでは、編集スタッフだった女性が二人、仕事を取り次いでくれていたのですが、一人が結婚し、残っていた一人も、今回を最後に別な編集局に就職しました。 まぁ、別に、個人的に見に行ってウダウダ書きゃあええだけですが、ちょっと一息つきたいと思います。 気にはなってるんですよ来週の「舞妓はレディ」えらい顔ぶれです。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」こいつら来年のアベンジャーズに登場?「るろうに剣心」どんな決着? 猿の惑星」予告見る分には予想してたのと違うみたい。「ゲッタウェイ」は期待はずれでしょう。「世界一受けたいお稽古」活ける伝説、ピーター・ブルックの舞台演出ドキュメント。10月に入って「蜩の記」岡田准一 今回はいかに、「ミリオンダラーアーム」インドからメジャーリーガーは生まれるか? 「不思議な岬の物語」大して期待なし。アタシャ吉永小百合さんをあんまり評価しとりません、竹内結子さんも、ちょっとオバチャン化?「誰よりも狙われた男」フィリップ・シーモア・ホフマン遺作、ジョン・ル・カレ原作。「ヘラクレス」う~~怖いなぁ~。あと、年内、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ「美女と野獣」実写、説明不要「エクスペンダブルス3」、期待してます!クリストファー・ノーラン監督「インターステラー」。ついにやります「寄生獣」 ブラピの「フューリー」はプライベートライアンの焼き直し以上の物語を見せられる?ディズニーの「ベイマックス」は日本人のお話、これは何らかのムーブメントの先駆け? 年明け、黒人版「アニー」やいかに、ほんで最大興味は「エクソダス」“十戒”のリブートであります。クリスチャン・ベールのモーセです。“ノア”みたいに、またまたいがんだ聖書物語に成っちゃうんでしょうか、私の記憶に残る、一番始めの映画はチャールトン・ヘストンの「十戒」です。さて、どうなんでしょうね。
これまで何度も言って来ました。人がなんと言おうとも、あなたが「面白い!」と思う映画が面白い作品です。「こりゃ、テレビでええわ」とか「こんなもん、見やんでええ〓」っつな作品もございますが、それはそれで、見た後ブツブツうなるのも楽しいもんです。 皆さん、映画を愛して下さいね。私のウダウダに返事をくださった多くの方々、喧嘩した事もありましたね。クェンティン・タランティーノは言うに及ばず、リチャード・ロドリゲスファンの皆さん、よう ド突きあいにならんかったですね、いや面白かったです。では、またどこかでお会いするかも……しばし、お別れいたします。
お付き合い、心より感謝いたします。 サイナラ〓さいなら〓サイナラ〓 アハハハ パクリヤ〓
※:次回からは、滝川浩一くんが残した書評やエッセイを掲載いたします。ご愛読ありがとうございました。 大橋 むつお